『誰かの日々』

「最近、お前の隊のスコア、急に伸びたよな」

「隊長の指示が前よりも良くなったんだ」

「へぇ、前も随分と評判良かったじゃないか」

「そうなんだけど、この頃は柔軟性みたいのが出てきてさ」

「弱点だった奇襲を克服したわけだ」

「ああ。指示が的確過ぎて、隊そのものがきっちりし過ぎてたんだろうね」

「それで柔軟性か」

「なんか、隊長に指示の仕方を教えている人がいるらしいよ」

「うちの隊長もそいつに指示の仕方って奴を教えて欲しいもんだ」

「教えている人の正体がわかればいいんだけどねぇ」

「なんだそりゃ。何も分からないのか?」

「あくまで噂だけど、ネットでしか接触してないそうなんだ」

「此処のネットワークは狭いから、すぐに正体ぐらいわかりそうだがなぁ」

「そうもいかないみたいだね。正体ってわけじゃないけど、4000人の指示を同時にしたことがあるとか無いとか」

「となると人間では無いのか……」

「そこの二人、そろそろ準備しないとまずいかもよー?」

「……やべ、こんな時間か」

「駄弁ってる場合じゃなかったねっ」