『考えすぎ』

「あの嬢ちゃん、予想以上に下手だな」

「僕は軽く打てると思ってたけど」

「大人しく目で見て、先読みして打っちまえばいいんだ。力の使い方を知らねぇんだ」

「なるほど、考えすぎね」

「なぁ、あの背中の羽みたいのはなんだ?」

「羽? って、こんな場所で何考えてるんだよっ」

「……盛大に空振りしたな」

「考えすぎにもほどがあるよ。……少し教えてくる」

「お前、わかるのか?」

「随分前に少しだけやったことがあるからね」

「……良い格好見せようと思ってヘマをするのが王道だな」