DAYS

『愚痴は後回しに』

「どうやら、二つのギルドに挟まれたようね」
マップを見ながらスグリはため息をついた。
初めて狩りに来たフィールドで戦闘になるとは考えていなかった。
「普通なら此処じゃやらない決まりなんだがなぁ」
フードから覗くヘゲルの顔は呆れた顔だ。
「とにかく、此処から抜けることを考えましょう」
同じパーティに属するキャラクター達が頷く。
狩りの効率を上げるべく、即席で組み上げたパーティだ。
「でも、どーする? 俺らの防具じゃ即死だろ?」
「FOもできないのかぁ。仕様変更して欲しいや」
「不満は後でも言えるわ。それとも、何処かの誰かにポイント献上したいの?」
スグリの言葉に二人の剣士が黙る。
「とにかく、移動しないとまずいよ」
代わりに銃剣士の少年が言った。
「一番近いポータルでも30分はかかるぜ?」
「このフィールド全域が戦場になるのに10分かからないわ」
「全滅かぁ。ついてねぇなぁ」
「黙ってなさい」
「良いじゃねぇか。愚痴ぐらい」
「全滅してから言いなさい」
「どうすりゃいいんだよ」
「近くに放棄された砦があるの」
マップ上、彼らのいる場所から北の方に砦のマークがある。
「対竜用の砦ね。何処のギルドの所有でもない」
「走れば間に合うぜ。どうする?」