『追想の変身譜、それから(2)【Depth 5】』 をテンプレートにして作成
ページ一覧
開始行:
[[DAYS]]
*追想の変身譜、それから(2)【Depth 5】 [#ocd9f084]
2日目のディスカッションは1日目の振り返りからはじまった...
「解釈の違いはないと判断していいか?」
6人掛けの会議用テーブルの向かいに立っているエリスはフラ...
「それは、ぶっきらぼうすぎるよ」
エリスの横に立っていた青い髪の女性が言った。しかもエリ...
「プリステラ、そうなのか?」
エリスは目を閉じて、一拍あけてから、
「すまない。こういう性格なのだ」
プリステラが再び小突く。
「ハリセンか何かいる?」
「気持ちだけもらうね」
シアーとプリステラのフランクなやり取りに誠司は眉間に皺...
「いいアイスブレイクですね」
とりあえず、進めようと誠司は言葉を発する。おそらく、ア...
「同感だ。紹介が遅れてしまったが彼女がプリステラだ」
「はじめまして、遠見さん、シアーさん」
プリステラが浅く礼をすると、水色の長い髪が照明をあびな...
「では、話を進めていこう」
エリスは全員に席に着くよう促し、一同は椅子に座った。テ...
「これ、私ひとりでまわりきれる?」
「あなたの速度なら可能です」
誠司はこの場で丁寧語で話すのが妥当なのか悩んだがそのま...
「大事なのはコースとサプライユニット切り離しのタイミング...
「自重で沈むには時間がかかりすぎる、ね」
「海中では頼りになるのはソナーだけです。ビーコンもありま...
よどみなく説明する誠司に目を一瞬だけ向けてから、シアー...
「よってコースの選定と海流や温度の調査が重要になる」
「なら、いつものことだね」
決められた場所にサプライユニットを提供するだけなのに大...
「サプライを受け取るのは誰なの?」
「"ロミオ"だ」
「コードネーム以外のことが知りたいの」
シアーの言葉にエリスはしばらく沈黙していたが、
「君たちが出会った巨大海洋生物のことだ」
エリスの言葉にシアーは驚きで目を丸くしたあと、微笑みの...
「生きてるんだ」
「生きている。問題は彼、コードネーム"ロミオ"に同行してい...
あの時の巨大イカは今も海中デートを楽しんでいるらしい。...
「それなら、回りくどいことをせずに我々に対処法を聞けばよ...
「極秘事項なので公にはできないのだ」
人間が別の形に変化してしまう事例など、表に出せないのは...
「"ロミオ"の生存を知った我々はどうなりますか?」
「口外しないと約束してほしい」
「もちろんです。サインが必要ですか?」
「不要だ。私が記憶している」
「わかりました」
横を見ると、プリステラとシアーが巨大イカとの出会いにつ...
「巨大イカが暴れたときのためのトラブルシューティングだっ...
「そうだ。自律潜水艇プリステラの最高速度で振り切れる。だ...
「あの船を分解する攻撃について何かわかったことは?」
「魔法か魔術を使う。それしかわかっていない」
「そうですか。……護衛に人間が必要です」
「向こうに攻撃の意思はない、とブルースノー経由で判明して...
「なるほど、デートの邪魔をされたくない、と」
冗談めかして誠司が言うと、エリスは目を伏せて、
「人との付き合い方を知らないのだと、《《我々》》は推測し...
「……親はわかっているのですか?」
「母親の目星はついているが、重度の精神疾患を患い治療中だ...
「父親もですか」
「彼は、"ロミオ"を抱きかかえたまま海に飛び込み、無理心中...
「"ロミオ"の生い立ちを考えれば、だれかとコミュニケーショ...
誠司は手を組むのをやめて、天井を仰ぎ眉間を揉む。これを...
「最終的に"ロミオ"とコミュニケーションを成立させるのが目...
「私も参加させて、欲しい……です」
プリステラとの話を終えたシアーがエリスと一騎の二人を見...
「シアー、それは」
「私も彼に近い存在だから――」
シアーは下半身の擬態を解き、本来の姿をあらわにする。彼...
「了解した。コミュニケーションのフェイズにはシアーも参加...
「それなら、私も参加します。シアー、彼女を守ります」
「承知した。そして、感謝する」
「その時は、私も参加するよね?」
おずおずとプリステラは言った。
「当然だ。なぜなら、存在のバリエーションが必要だからだ」
とエリスは告げる。ナッツクラッカー計画はこうして生まれ...
終了行:
[[DAYS]]
*追想の変身譜、それから(2)【Depth 5】 [#ocd9f084]
2日目のディスカッションは1日目の振り返りからはじまった...
「解釈の違いはないと判断していいか?」
6人掛けの会議用テーブルの向かいに立っているエリスはフラ...
「それは、ぶっきらぼうすぎるよ」
エリスの横に立っていた青い髪の女性が言った。しかもエリ...
「プリステラ、そうなのか?」
エリスは目を閉じて、一拍あけてから、
「すまない。こういう性格なのだ」
プリステラが再び小突く。
「ハリセンか何かいる?」
「気持ちだけもらうね」
シアーとプリステラのフランクなやり取りに誠司は眉間に皺...
「いいアイスブレイクですね」
とりあえず、進めようと誠司は言葉を発する。おそらく、ア...
「同感だ。紹介が遅れてしまったが彼女がプリステラだ」
「はじめまして、遠見さん、シアーさん」
プリステラが浅く礼をすると、水色の長い髪が照明をあびな...
「では、話を進めていこう」
エリスは全員に席に着くよう促し、一同は椅子に座った。テ...
「これ、私ひとりでまわりきれる?」
「あなたの速度なら可能です」
誠司はこの場で丁寧語で話すのが妥当なのか悩んだがそのま...
「大事なのはコースとサプライユニット切り離しのタイミング...
「自重で沈むには時間がかかりすぎる、ね」
「海中では頼りになるのはソナーだけです。ビーコンもありま...
よどみなく説明する誠司に目を一瞬だけ向けてから、シアー...
「よってコースの選定と海流や温度の調査が重要になる」
「なら、いつものことだね」
決められた場所にサプライユニットを提供するだけなのに大...
「サプライを受け取るのは誰なの?」
「"ロミオ"だ」
「コードネーム以外のことが知りたいの」
シアーの言葉にエリスはしばらく沈黙していたが、
「君たちが出会った巨大海洋生物のことだ」
エリスの言葉にシアーは驚きで目を丸くしたあと、微笑みの...
「生きてるんだ」
「生きている。問題は彼、コードネーム"ロミオ"に同行してい...
あの時の巨大イカは今も海中デートを楽しんでいるらしい。...
「それなら、回りくどいことをせずに我々に対処法を聞けばよ...
「極秘事項なので公にはできないのだ」
人間が別の形に変化してしまう事例など、表に出せないのは...
「"ロミオ"の生存を知った我々はどうなりますか?」
「口外しないと約束してほしい」
「もちろんです。サインが必要ですか?」
「不要だ。私が記憶している」
「わかりました」
横を見ると、プリステラとシアーが巨大イカとの出会いにつ...
「巨大イカが暴れたときのためのトラブルシューティングだっ...
「そうだ。自律潜水艇プリステラの最高速度で振り切れる。だ...
「あの船を分解する攻撃について何かわかったことは?」
「魔法か魔術を使う。それしかわかっていない」
「そうですか。……護衛に人間が必要です」
「向こうに攻撃の意思はない、とブルースノー経由で判明して...
「なるほど、デートの邪魔をされたくない、と」
冗談めかして誠司が言うと、エリスは目を伏せて、
「人との付き合い方を知らないのだと、《《我々》》は推測し...
「……親はわかっているのですか?」
「母親の目星はついているが、重度の精神疾患を患い治療中だ...
「父親もですか」
「彼は、"ロミオ"を抱きかかえたまま海に飛び込み、無理心中...
「"ロミオ"の生い立ちを考えれば、だれかとコミュニケーショ...
誠司は手を組むのをやめて、天井を仰ぎ眉間を揉む。これを...
「最終的に"ロミオ"とコミュニケーションを成立させるのが目...
「私も参加させて、欲しい……です」
プリステラとの話を終えたシアーがエリスと一騎の二人を見...
「シアー、それは」
「私も彼に近い存在だから――」
シアーは下半身の擬態を解き、本来の姿をあらわにする。彼...
「了解した。コミュニケーションのフェイズにはシアーも参加...
「それなら、私も参加します。シアー、彼女を守ります」
「承知した。そして、感謝する」
「その時は、私も参加するよね?」
おずおずとプリステラは言った。
「当然だ。なぜなら、存在のバリエーションが必要だからだ」
とエリスは告げる。ナッツクラッカー計画はこうして生まれ...
ページ名:
サイト内検索
and
or
FrontPage
サイトトップに戻る
NAMED
ロッシュの限界
カッシーニの空隙
オールトの雲
エンケの空隙
EKBO Phase 2
電子遊泳/プリステラ
ゴースト1とアレゲな仲間たち
創者の憂鬱
濡れ羽色の恋
悪意なき悪意
リビングフィールド
Appleの回し者
青い星に届くまで
蜘蛛の糸
深遠の果てより
ぎょがんれんず
記憶の司書
天使のように君は立ってた
イデアダイバー
鎮痛の神
白波トップウォーター
霧の森の灯台守
真空のセントエルモ
↑
資料・小説など
設定資料
小説
追加シェル・バルーン
メモ
諸注意
ゴースト著作権意識
最新の20件
2025-06-28
『チューニング・ウォーキング【FO-3】』
DAYS
2025-06-01
『デイライト・ハーモニー【FO-2】』
2025-05-21
カッシーニの空隙
2025-05-12
『ナイトクルーズ【FO-1】』
2025-04-05
『終局【EW-B-9】』
2025-03-29
『アンダー・ア・バーニング・スカイ(3)【EW-B-8】』
2025-03-16
『アンダー・ア・バーニング・スカイ(2)【EW-B-7】』
2025-03-12
『アンダー・ア・バーニング・スカイ(1)【EW-B-6】』
2025-03-02
『作戦会議【EW-B-5】』
2025-02-21
『接触2【EW-B-4-2】』
2025-02-11
真空のセントエルモ
2025-02-10
『接触【EW-B-4】』
『索敵【EW-B-3】』
2025-01-25
『前触れ【EW-B-2】』
2025-01-09
『あおはるゆーす【Strobe 3】』
2024-12-29
霧の森の灯台守
2024-12-15
『ポイント・オブ・ノー・リターン【G1-2】』
2024-11-17
『次のトラックを再生します【Depth EX 3】』
2024-10-20
『本は増えるもの【D-A-1】』
Counter: 0, today: 0, yesterday: 0