『デイライト・ハーモニー【FO-2】』 をテンプレートにして作成
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[[DAYS]]
――いつの間にか美汐は、凛をもっと理解したいと思うようにな...
凜は理論と直感の両方に重きを置いているらしく、彼女がパ...
彼女は自分なりの方法で凜を理解することにした。打合せの...
彼は潜水艇の中で破滅的なイベントを起こしたりはしないの...
それは、仕事で話す時間が増えたり、調査中の雑談が増える...
待ち合わせにはまだ少し時間がある。
ガラス張りで店内の様子がよく見える。手前にはカウンター...
「君、肉は嫌いかい?」
ふいに後ろから声が飛んできた。振り返ると、彼の恰好はい...
「好きですよ」
「それはよかった。ここの店は肉がおいしくてね」
彼は慣れた足取りで店の中に入る。
「やあ、きりんさん。2週間ぶり?」
厨房で肉を焼いていた店主らしき男性が挨拶をしてきた。
「そうか、まだ2週間か」
「ちゃんと食べてってよ。後ろの人は知り合い?」
「そんなところだ」
ぼかした物言いに若干、むっとしたものを覚えるが美汐はこ...
肉と油の香りはするものの、換気がしっかりしているようだ...
これなら服に匂いが移る心配もしなくてよさそうだ。
「カウンターでいいかい?」
「ええ、先生にあわせますよ」
「今日は君がゲストなんだが」
「なら、カウンターがいいです」
もともと、美汐はカウンター席が好きだった。調理の過程を...
ただ、凜の隣に座るとなると、どちらを注目したものか悩ま...
視線を店主の方に向けると、鉄板で肉を焼いていた。この店...
逡巡する美汐とは別に慣れた調子で立てかけてあったメニュ...
「目移りしているのかな」
美汐は曖昧に頷いて、メニューの先頭を指さした。
「このトリプルおいしそうですね」
「パティ3枚はかなり食べ応えがある。君、食べきれるのか?」
「ええ、大丈夫だと思いますよ」
奥の席、くだんのバーガーを食べている一団を確かめてから...
「では、せっかくだから、同じものにしようかな」
「しばらく時間かかるけど、大丈夫かい?」
店主に聞かれ、
「急ぎの用事はない。いつものおいしいバーガーを楽しみにし...
「そうやって人を転がすんだからおっかない」
笑いながら店主は、ステンレスの台の上に皿を並べて、盛り...
「結構な頻度で来てるんですか?」
「肉が食べたくなったらここ、と決めていて、月1ぐらいかな」
「そうなのですね」
などと言っていると、奥の方から、声が飛んできた。
「きりーん、この前の分析ありがとー」
「正体はわかったかい?」
「レイドボスの製造工場だったー」
「それは、興味深いな。新しい情報が見つかったら教えてくれ」
「もちろーん」
前に見せてもらったオンラインゲームの地図だと、美汐は気...
「あだ名は広まっているようですね」
「だいたい、常連になるとあだ名がつけられる」
凜はちらっと、鉄板の上で肉を焼いている店主を見て、
「つけられる前に名乗ったんだ。君も考えておいた方がいい」
「何をですか?」
「あだ名だよ」
常連になるほど通うだろうか、と美汐は考える。店の雰囲気...
「あだ名を思いついたのかな」
「考えすぎたようです」
水の入ったグラスの横に緑色の液体の入ったグラスがある。
「この店謹製の野菜ジュースだ。しかも飲み放題だ」
「店員さんばりの説明しますね」
「一通り説明できると思うよ」
凛はレジで会計をしているアルバイトの青年を見て、
「肉は焼けない。レジ打ちもできない」
店長がバンズに具材を挟みながら、
「やる気があるなら教えるよ。きりんさん、会話上手だしね――...
カウンター越しに大きな皿を受け取る。バンズの上のパティ...
「サラダはそのまま食べてもいいし、バーガーに挟んでもいい」
「いただきます」
美汐はサラダをゆっくり咀嚼する。レタスは苦味がなく、ソ...
バーガーを食べ始めると会話する余裕がなくなってしまった...
付け合わせのポテトを数本つまんでから、野菜ジュースを飲...
「急がなくていい。こういう時は食べるペースをあわせるのが...
「何のお約束ですか?」
「ゼミの子からデートの時はそうするものだと聞いてね」
美汐はフライドポテトにフォークを刺そうとして失敗した。
「近い話は仕事でも聞いてはいます」
取り繕うように美汐は言った。
「今の発言は軽率だった。すまない」
「気にしないでください。ゆっくり食べますから」
今度はフライドポテトにうまくフォークが刺さった。
デートと聞いた瞬間、体温があがったのを感じた。久しぶり...
美汐は落ち着かせるためにゆっくりとした動きで、フライド...
右からコーヒーの入ったマグカップが差し出された。湯気と...
「詫びの気持ちだ」
「ありがとうございます」
コーヒーを一口飲む。口の中の脂が流されていくようで心地...
この時間が続けばいい、とそう思っている自分に美汐は気が...
「詫びなくてもいいですよ」
美汐の言葉に凜は少し驚き、そして、柔らかな表情になって、
「わかった。一息ついたら、腹ごなしに川沿いでも散歩しよう...
「川があるんですね」
「遊歩道の花も見ごろだろう」
凜の表情が少し赤いことに美汐は気づいた。言わないでおこ...
ここで注目の的になると、あとが大変そうだから。
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――いつの間にか美汐は、凛をもっと理解したいと思うようにな...
凜は理論と直感の両方に重きを置いているらしく、彼女がパ...
彼女は自分なりの方法で凜を理解することにした。打合せの...
彼は潜水艇の中で破滅的なイベントを起こしたりはしないの...
それは、仕事で話す時間が増えたり、調査中の雑談が増える...
待ち合わせにはまだ少し時間がある。
ガラス張りで店内の様子がよく見える。手前にはカウンター...
「君、肉は嫌いかい?」
ふいに後ろから声が飛んできた。振り返ると、彼の恰好はい...
「好きですよ」
「それはよかった。ここの店は肉がおいしくてね」
彼は慣れた足取りで店の中に入る。
「やあ、きりんさん。2週間ぶり?」
厨房で肉を焼いていた店主らしき男性が挨拶をしてきた。
「そうか、まだ2週間か」
「ちゃんと食べてってよ。後ろの人は知り合い?」
「そんなところだ」
ぼかした物言いに若干、むっとしたものを覚えるが美汐はこ...
肉と油の香りはするものの、換気がしっかりしているようだ...
これなら服に匂いが移る心配もしなくてよさそうだ。
「カウンターでいいかい?」
「ええ、先生にあわせますよ」
「今日は君がゲストなんだが」
「なら、カウンターがいいです」
もともと、美汐はカウンター席が好きだった。調理の過程を...
ただ、凜の隣に座るとなると、どちらを注目したものか悩ま...
視線を店主の方に向けると、鉄板で肉を焼いていた。この店...
逡巡する美汐とは別に慣れた調子で立てかけてあったメニュ...
「目移りしているのかな」
美汐は曖昧に頷いて、メニューの先頭を指さした。
「このトリプルおいしそうですね」
「パティ3枚はかなり食べ応えがある。君、食べきれるのか?」
「ええ、大丈夫だと思いますよ」
奥の席、くだんのバーガーを食べている一団を確かめてから...
「では、せっかくだから、同じものにしようかな」
「しばらく時間かかるけど、大丈夫かい?」
店主に聞かれ、
「急ぎの用事はない。いつものおいしいバーガーを楽しみにし...
「そうやって人を転がすんだからおっかない」
笑いながら店主は、ステンレスの台の上に皿を並べて、盛り...
「結構な頻度で来てるんですか?」
「肉が食べたくなったらここ、と決めていて、月1ぐらいかな」
「そうなのですね」
などと言っていると、奥の方から、声が飛んできた。
「きりーん、この前の分析ありがとー」
「正体はわかったかい?」
「レイドボスの製造工場だったー」
「それは、興味深いな。新しい情報が見つかったら教えてくれ」
「もちろーん」
前に見せてもらったオンラインゲームの地図だと、美汐は気...
「あだ名は広まっているようですね」
「だいたい、常連になるとあだ名がつけられる」
凜はちらっと、鉄板の上で肉を焼いている店主を見て、
「つけられる前に名乗ったんだ。君も考えておいた方がいい」
「何をですか?」
「あだ名だよ」
常連になるほど通うだろうか、と美汐は考える。店の雰囲気...
「あだ名を思いついたのかな」
「考えすぎたようです」
水の入ったグラスの横に緑色の液体の入ったグラスがある。
「この店謹製の野菜ジュースだ。しかも飲み放題だ」
「店員さんばりの説明しますね」
「一通り説明できると思うよ」
凛はレジで会計をしているアルバイトの青年を見て、
「肉は焼けない。レジ打ちもできない」
店長がバンズに具材を挟みながら、
「やる気があるなら教えるよ。きりんさん、会話上手だしね――...
カウンター越しに大きな皿を受け取る。バンズの上のパティ...
「サラダはそのまま食べてもいいし、バーガーに挟んでもいい」
「いただきます」
美汐はサラダをゆっくり咀嚼する。レタスは苦味がなく、ソ...
バーガーを食べ始めると会話する余裕がなくなってしまった...
付け合わせのポテトを数本つまんでから、野菜ジュースを飲...
「急がなくていい。こういう時は食べるペースをあわせるのが...
「何のお約束ですか?」
「ゼミの子からデートの時はそうするものだと聞いてね」
美汐はフライドポテトにフォークを刺そうとして失敗した。
「近い話は仕事でも聞いてはいます」
取り繕うように美汐は言った。
「今の発言は軽率だった。すまない」
「気にしないでください。ゆっくり食べますから」
今度はフライドポテトにうまくフォークが刺さった。
デートと聞いた瞬間、体温があがったのを感じた。久しぶり...
美汐は落ち着かせるためにゆっくりとした動きで、フライド...
右からコーヒーの入ったマグカップが差し出された。湯気と...
「詫びの気持ちだ」
「ありがとうございます」
コーヒーを一口飲む。口の中の脂が流されていくようで心地...
この時間が続けばいい、とそう思っている自分に美汐は気が...
「詫びなくてもいいですよ」
美汐の言葉に凜は少し驚き、そして、柔らかな表情になって、
「わかった。一息ついたら、腹ごなしに川沿いでも散歩しよう...
「川があるんですね」
「遊歩道の花も見ごろだろう」
凜の表情が少し赤いことに美汐は気づいた。言わないでおこ...
ここで注目の的になると、あとが大変そうだから。
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