#author("2018-06-16T16:30:26+09:00","default:sesuna","sesuna") [[DAYS]] 「まさか、課題がこんなに多いだなんて」 横にノートと筆箱をよけて黒髪の少女は机に突っ伏した。 「一日にやるには多いわよ」 白髪の少女は苦笑しながら言った。 手にはマグカップが2つ。 「いい匂い……」 「ローズヒップティーよ」 受け取りながら、 「お洒落ー」 と笑う。 「何も今日一気に片づけなくてもよかったじゃない」 「あー、言わなかったっけ。明日、家族で出かけることになったから」 「なるほど、それでね」 ローズヒップティーを一口飲むとさわやかな酸味が口の中に広がった。 「坂下さんは出かけないの?」 会田の問いに坂下は、 「連休中はどこも混んでいるから難しいのよ」 「朝早くに出かけると空いてるよ」 「それができればいいけど、そうもいかないの」 「面倒を見ないといけない人がいる、とか?」 「そんなところよ」 「ふぅん、大変なんだねぇ」 ゆっくりとお茶を飲みながらいう。 「大変というほどでもないのよ。家のことは私がやっているだけ」 「お父さんとかお母さん、いないんだっけ」 「今は兄と二人暮らしよ。その兄も仕事が忙しくて」 坂下は笑ってみせる。 「強いねえ」 「なかなか遣り甲斐はあるわ。兄がダメなヒトだから」