Feathery Instrument

Fine Lagusaz

アイメンを出て数時間、進路上には港町ペイルティらしいのが見えてきていた。

いろいろなところで話を聞いて情報を集めようという話になりほかの町に行こうとなった。

何処を目指せば良いのかもよくわからないのでリッド達の後を辿る形にしたわけだ。

「港町ペイルティはセレスティア一の水揚げ高を誇る港町である・・・・だってさ」

レイルが地図(トーマスからもらった)から顔を上げると一次元刀の柄を拭いていたウィルと目があった。 「ならおいしい魚食べれるかもしれないわね」 「そうだね。それに食料は補充したいよ」

まさかセレスティアで長期戦になるとは思えなかったから食料というものはほとんどない。 「でもメルニクス語がわかるってすごいね、ほんと」 「間違えているかもしれないけどさ」 「あはは、そんなことは普通にあるよ」 「そう言ってもらえると助かるよ」 ふと前の計器類に目を向けるが誰も操舵していない。

計器類の上に様々なケーブルにつながれたクレーメルコンピュータが乗っている。 名付けてオートパイロット、とケイは言っていた。

いろいろなものに応用がきくからこれの研究はやめられないんだな、と笑ってもいた。

ケイはフィールと何処かへ行ってしまったがセイとタナトスは壮絶な神経衰弱をやっている。

互い感情を表にあまり出さないためぴんと糸が張り詰めたようなやり取りが続いているのだ。

第一回戦はレイルとウィルも参戦したのだがこの二人に圧倒されやめてしまったのだった。 今は観戦する側だ。

未知の世界(でもないかも知れないが)に来てしまったわりにはのどかなのは間違いないだろう。 普通はもっと慌てると思うがこのメンバーならそんなことは無い。

アイメンでもこの調子で今でもこの調子なのだからずっとこの調子でいられる、レイルはそんな気がしていた。

第十九章「氷の大晶霊」

港に降りても潮風というものは無い。

そこがセレスティアの特徴でもあるが普段から風を感じていたレイルたちにはセレスティアに来てからずっと違和感を感じていた。 それもじきになれるのだろう。

時間を決めてばらばらに行動することにした、とはいえペアになっていて一人で行動することは無い。 漁船と漁師がここの人口の大半なのだろう。 大きな漁港を見たことが無いのであっちこっちに目が向いてしまう。 「レイル、なんだか楽しそうね」 ウィルの数歩先を歩いていたレイルがウィルのはやさに合わせる。 「あ、ちょっとね」

都会と違う活気に溢れているこの町も一時期は氷結の町と言われていたそうだ。

その原因はグランドフォールの影響を受けた氷の大晶霊セルシウスだったそうだ。

セレスティアという言葉だけしか知らなかったころはただのおとぎ話に過ぎなかったがここに来てぐっと現実感が増してきた。

–すみません、人を捜しているのですが –ウィルバーなんて奴知らないよ –そうですか。ありがとうございました –それより、お前らインフェリアンだろ? –ええ、そうですけど –うちにちょいとよってけよ –あ、今は忙しいので・・・・すみません –そいつは残念だ。次があったら来いや –はぁ、すみません

–すみません、ウィルバーというインフェリア人を探しているのですが –あー、何処かで聞いたような気がするけど思い出せないなぁ –そうですか、ありがとうございました –力になれなくて悪いね –いえいえ

こんなやりとりが何回か合って結局は情報なしだった。 池のほとりに二人は腰を下ろしていた。 いくらか疲れているようだ。 「表だった行動はしていないんだね」 ため息交じりにレイルは言った。 「みたいわねぇ・・・・このまま動かなければ良いかも」 同じくため息交じりにウィルが続ける。 「同感だよ」 苦笑いしながらレイルが頷く。 この後、とんでもないことを聞くことになるのだが・・・・。 本当に動かなければ良いのにと分厚い雲に覆われた空を見上げた。

同じ雲の下の静かな二人・・・・タナトスとセイの二人は静かに聞き込みを長い間続けていたが疲れたそぶりは見せなかった。 このパーティで真面目にできるのはこのペアぐらいかもしれない。

–すみません・・・・人を・・・・探しているのですが –ぼそぼそ言ってるんじゃねぇよ –人を・・・・探している –聞こえない –! –黙ってたらわからないって –ダークフォース –ぐはっ –邪魔を・・・したな・・・・ –・・・・

–すみません。 –なんだ? –人を捜しています –あ・・・・ –ウィルバーという方なのですが・・・・・? –か、可愛い –? –ゲッツ –(銃声) –(沈黙)

「危ないところだった・・・・」 「そうね」 「死んでない・・・・よな」 「そうだと良いね」

セイの指でクルクル回されている銃に目を落とす、『これ』から放たれた光は男の肩を貫いていた。 銃からセイの整った横顔に視線を移すとくるくる回していた銃が止まった。 「どうしたの?」 「いや・・・・・なんでもない」 「そう」 そこらを歩く人達から自分達はどう見えているのだろう。

出会ったころはかなり冷たかったタナトスも少しずつこの旅のなかで変わっていった。

氷のような空気をまとうセイには何処か同じような空気を感じていたからタナトスはセイの近くに寄っていた、いやひかれて言ったのかもしれない。 セイもタナトスに対してはいくらか心を開ける部分があった。 同い年であることも関係あるのだろうか。

ふとタナトスは思考を止めて再びセイの横顔を見ると目が合ってしまい慌てて目を背けてしまう。 あ・・・・。 小さな叫びをあげる。

なぜ自分は背けてしまったのだろう、小さな疑問に変わりつつある自分を再び感じるタナトスだった。

一通り聞き込みを終えていたケイとフィールも町の外れで休んでいた。 「あー、潮風がねぇ。こんなの海じゃねぇ」 「インフェリア人のわたしたちには違和感があります」 「しかし晶霊の違いでこうまで変わると調べがいがありそうだ」 愉快そうに言うケイを見ながらフィールはほほ笑んだ。

「日頃、当たり前だと思っていたこともここでは起こらないかもしれない。それが手掛かりになっておもしろいことが分かるだろう」 「本当に楽しそうですね」 「ああ・・・・。ま、まわりに迷惑かけ過ぎなんだけどな」 ケイの顔が暗く沈む。 「誰がです?」 「俺だよ」 「・・・・それは無いですよ」

「俺は知りたいことがあると突っ走る。だからまわりには知らずに迷惑をかけているんだよ」

苦笑いしながら「義理でもそういってくれてうれしいよ、ありがとう」と続けた。 「迷惑をかけるならわたしもそうですよ」 ケイは驚いてフィールの顔を見てしまう。 「それは絶対無い、むしろ俺らは助けてもらっているんだぜ?」 「わたしには未来を見る能力があります」 「・・・・それが原因でウィルバーに捕らわれていたんだっけ」 でもそれで今のところ自分達は困ったことはない。 まさか助けられたことすら迷惑をかけたと思われているのだろうか。 そんなことはないとケイは心の中で首を横に振る。 「ええ。未来のことが見えるのは生まれつきの力だそうです」 フィールの話を静かにケイは聞いていた。 何か言おうと思っても知りたいという欲しか無かった。

それが知識欲とは別の部分で知りたいと思っていたことに気づくまでかなりの時間を要する。 「はっきりと未来が見えるとわかったのはわたしが6才の時です・・・・」 そこで一度、言葉が途切れて沈黙を挟みフィールが話し始める。

「とある家が家事で全焼する未来を見ました。父や母に話しても信用してもらえませんでした」 「まさか」

「そのまさかです・・・・両親は無くなり引き取り手は見つからず孤児院に行くことになりました。わたしは未来を見ましたが変えられませんでした。それからも夢に見るような形で未来を見続けているうちに神の子、セイファートの子と言われるようになりセイファート教会の宣伝に利用されるようになりました。そんな毎日を過ごし疑問や迷いも消えていっていったある日です。ウィルバーという男が現れたのは・・・・・。後は皆さんのご存じの通りです」 「そんなことがあったのか・・・・」

まだ話していない部分があるんじゃないのか?と言いたいのを必死にこらえる。 「俺は別に迷惑だと思ってはいないから」 「義理でもそういってくれると嬉しいです」 そして二人で笑った。 ケイは笑いながら思う。 未来が見えるというのは時に対し人の無力さを感じるのではないだろうか。 それはとても辛いことだろう。 そしてそれに挫けないフィールは強い。 それでも折れる時が来るかもしれない。 その時はそばにいよう。 それが自己満足でもいいから。

最初にトライデントに戻って来たのはタナトスとセイの二人ですぐ後にレイルとウィルが、そしてだいぶ時間が経ってからケイとフィールが戻って来た。 みんなで聞いて来たことを一通り話す。

こちらでは特に表だったことはしていないようだがインフェリア人がリーダーの武装集団が大晶霊のいる周辺で出没しているらしい。

リッドたちが来てから大晶霊を探す者は増えたがこれはあまりにも稀な集団のためはっきりと覚えている人達が数人いた。 「あやしいねぇ」 レイルがため息混じりに言う。 「つーか本人だな、間違いなく」 頭を押さえながらケイが続けウィルたちが頷いた。 「とりあえず夕飯にしませんか?」 一段落ついたところでフィールの作った夕飯になる。 明日は氷晶霊の谷へ向かうことになった。

こちらでも行動は晶霊を操ることのできる石とウィルバーのことを調べるのが基本になっている。

谷へ行くのが嬉しそうなのがケイとセイなのが不思議なところだが一行は白く染まった谷へ向かうことになったのだった。

氷に閉ざされた記憶 白に埋もれた過去 赤に染まるすべて 「お父さんとお母さんがっ」 「やめろ、ここから先は危ない」 大柄な男に遮られ少女は進めない。 なんとか自分だけ外に逃れることができたのだった。 窓から両親の姿が煙に隠れながらも見えている。 「でも、でもっ」 消火にあたっていた人々が叫びを上げる。 「まずい、崩れるぞ」 外壁が音を立てて崩れ始める。 「消火作業中止、下がれ~」

二人の姿が火の粉と煙に消える一瞬、「さようなら」と聞こえたような気がする。 崩れる音と悲鳴が雪の夜に響いた。 「お父さん、お母さんっ!!・・・・・」 目を開けると天井が、横にはウィルとセイが静かに眠っていた。 耳には自分の荒い息だけが聞こえる。 「・・・・」 静かに息を吐き出すと布団をかぶり直し目を強く閉じた。 そして静かに開くその目からは一筋の光が頬を伝った。

「氷晶霊の谷に登るんだって?」 登山道具屋の店員の第一声はこうだった。 その声はかなり疑っているものだ。 レイルたちを見ればそれは当たり前の反応なのだが・・・・。 勝手に好きな服を買い道具もそろえる。

とはいえ店員に勧められたものを買ったのでベテランの登山者から言わせれば高いという言葉で表せない価格だった。

足りなくなればそこら辺でモンスターからひっぺ剥がした肉や骨、あやしげな手作りの怪しげな道具を売りさばけば良い。 そのことはインフェリアとセレスティアの共通点だ。

もっともインフェリア出身の人間が作るのだからいくらか価値が上がっているようだ。 「少し動き辛い・・・・」 「レイル・・・・少しは服を考えた方が良いんじゃないの」 「うん」 レイルをはじめとする晶霊術師はオーバーマントといったものになった。 ケイやウィルそしてセイの三人は動きやすいものを選んだ。 タナトスはその後に武器屋に行って大型の鎌を手に入れてきた。 「死神だ」レイルの一言にニヤリと笑うタナトス。 レイルは苦笑いしかできなかった。

「うわ、真っ白」 「レイル、水奏石使える?」 雪の結晶に覆われながらウィルが言う。 「同じような属性だからどうなるかは知らないけど・・・・」 レイルは水奏石を手に取り詠唱を始める。 詠唱が終わると半球のシールドに全員入った。 「これで少しは防げるかな・・・・」 「レイル、後で俺と替れ。風奏石で粘って見るから」 「そうしてくれるとありがたいかな」 「ああ、大事な弟だからな」 笑いながらレイルから離れるケイ。 そのままフィールの横に並び何か話始める。 そんな事を見ているとレイルの横のタナトスが鎌の手入れをしていた。 試し斬りをしたらしいが刃には斬った形跡は見つからなかった。 よほど丈夫な刃なのだろうか。 「鎌の使い方はよくわからないけど少しは教えられるよ」 「ありがとうウィル・・・・だけど俺は・・・・鎌は使えるから」 「前世が死神だった、とか?」 ウィルが笑いながら言った。 もちろん冗談だ。 「ふっ・・・・」 笑いもせず認めるような短い笑い。 本当のところを隠すような笑いだった。 「うわ、なんて意味深な笑い・・・」 足早にレイルの横に並んできた。 「あはは、タナトスらしいというか」 「接近戦するようなタイプだとは思っていなかったのよ」 「僕も同じく」

「晶霊術師の方が多かったから物理攻撃担当の人が欲しいと思っていたから丁度いいわ」 「一応、兄さんも物理攻撃だよ」 「今回は相手にならないかも知れないわね」 「あ、そうか・・・・」 間をおいてレイルは溜め息混じりに呟いた。 「セルシウスは格闘なんだ」 「今回は・・・・」 ウィルはセイを見ながら続けた。 「セイが活躍するかもね」

晶霊術には詠唱するのに時間がかかるし、近づいて戦えばセルシウスと相打ちになるかも知れない。 素早く遠くから攻撃できる晶霊銃は有利と言えるだろう。 「どんな形でも僕は僕ができることをやる、それだけだよ」 「セイにまかせるつもりは私だって無いよ」 「うん」

「なんか開けた場所にでたな」 「この近くにセルシウスはいるんでしょうね」 「いるとするならここなんだろうけど」 このまわりだけ雪や空気が違う。 感覚としては水晶霊の川が似ているとレイルは思った。 雪の量が変わって視界が白一色になる。 目を開けると青い肌をした女性が立っていた。 「せ、セルシウス・・・・?」 青い光をまといこちらを見ていた。 その瞳は恐ろしいほど透明で僕らは圧倒されそうになった。 「ここはあなたたちが来る場所じゃない」 「・・・・そう、かもしれない」 人が踏み入れるような場所でないことは知っている。 「れ、レイルお前何をいってんだ?ここまできてそれは」 「ならはやく・・・・」。 「だけど僕らには氷奏石が必要なんです」 「なぜ?」 「それは・・・・」 「それが私たちが任されたことだから」 セイがはっきりとした口調で話す。 「そして今それができることだから」 「そう、なら」 セルシウスが構えた。 空気が切り裂くように冷たく痛いものに変わっていく。 「来なさい」 その言葉が終わったころには僕のすぐ側までセルシウスは来ていた。 水奏石を盾にして拳を受け止める。 「水奏石の使い手ね」 「くっ」 青い水奏石の盾に結晶のようなものが見えてきて冷たくなってきた。 次の瞬間には氷の欠片になった。 「うわっ」 ガラスの破片のように細かく散った氷が吹き飛ぶ。 「獅子戦吼っ!」 セルシウスの放った『気』が一気に向かってくる。 「こんのおっ!」 「今度は風奏石・・・?」 「ばか、さっさと動けよ・・・・体もたねぇからよ」 レイルは無言でうなずき水の杖を手にする。 その横を黒い風が通りその中を一筋の光が貫く。 「外したか・・・・」 「次は外さない」 見るとタナトスとセイがそれぞれの武器を構えていた。 「出でよ神の雷・・・・インディグネイションっ!!」 衝撃と爆音で何がなんだか分からなくなる。 「当たらなかったようですね」 「フィールさん、笑顔でそんなことやらないでくれ、怖い」 「次はちゃんと当てます」

フィールの手のひらには鎖のついた何かアクセサリのような物が握られていた。 光奏石だ、レイルは直感した。 氷の柱の上にセルシウスが立っている。 無傷で何事もなかったように・・・・。 レイルがセルシウスを見上げる。 「水と氷、それは似たような存在であり異なるものでもある」 水奏石のまわりに水が集まりセルシウスを囲んでいく。 セルシウスが静かに手を近づける。 青い光が放たれ一気に凍りついた。 「水は氷に・・・・」 檻が壊れ結晶が舞う。 「その澄んだかけらは鏡になる」 セイが晶霊銃を構えトリガーを引いた。 無数の光が放たれ氷塊に反射してセルシウスに降り注ぐ。 「逃げ場はない」 セイが静かにつぶやく。 次の瞬間、出現した氷の柱に光が弾かれ拡散する。 「こんなのではわたしを・・・・」 セルシウスの言葉が遮られる。 タナトスの大きな鎌が空を斬った。 刃先の一歩向こうにセルシウス立っていた。 「当たって」 「倒せな・・・・!!」 セルシウスにすべての方向から光の束が降り注ぐ・・・・。 「闇の晶霊たちよ。我が元に集いてすべてを無に還せ。エターナルダーク」 光を包むように黒い風が満ちて行く・・・・。

「・・・・なぁ、俺らが戦うと大晶霊ってダウンするよな」 「それは言わない約束だよ、兄さん」 「約束だったけ、それ」 「さぁ」 「なんだそりゃ・・・・しかしセイ大活躍だったな」 「タナトスもそう思うよね」 「ああ・・・・そうだな」 「なんかタナトス顔赤いけど風邪?」 「き、気のせいだ」

「ということで男性陣には引っ込んでもらいました、と」 「そのようなことする必要性は無かったのではないでしょうか?」 「フィールさんの晶霊術で治せそう」 「そうですね」 白い光がフィールの手から溢れセルシウスの体に染み込んで行く。 フィールは光奏石の力に驚いた。 「ん・・・・」 微かな声をあげ静かにまぶたを開く。 少しの間だけ空をぼうっと瞳に映した。 そしてはっとしたように瞬きをして体を起こした。 「あ、あなたたち・・・・」 「大丈夫、ですか?」 「ええ」 「立てる?」 ウィルはセルシウスに手を差し出し起こした。 つかんだ瞬間、そのひんやりとした感覚に驚いてしまった。 「ありがとう・・・・」 「もう、良いのか・・・・?」 岩陰に隠れていたタナトスが顔だけ出しながら言った。 「あ、もう大丈夫よ」 「ったく、わざわざ隠れることも無いだろう?」 「あはは、でも治ったようだね」 「おぅ、こう見ると奇麗な顔立ちしてるな」 賑やかに三人が近づいてくる。 その様子をセルシウスがいくらか呆れたように見つめている。 「約束のものよ」 ざわめきが止みセルシウスに視線が集中する。 セルシウスが空に手をかざすと青い光が結晶化して行く。 その光景に見取れてしまうレイルたち。 静かにセルシウスが歩いてくる。 「これが氷奏石・・・・あなたに預けるわ」 差し出された氷奏石をゆっくりとした動きでセイは手にした。 「冷たい・・・・」 氷奏石を握りながら祈るように手を胸につけた。 「あなたたちならきっと大丈夫」 「ありがとう」 ありがとうと聞こえたのだろうか? 言い終わる前にその姿は消えてしまった。 セイには一瞬だけセルシウスが笑ったような気がした。 「絶対、大丈夫」 「セイ・・・・?」 「なんでもない」 「大丈夫だ・・・・きっと」 「うん」

あとがき

とんでもないブランクが空きましたが第十九章です。 セルシウスのキャラが掴めなかったりごたごたして止まってました。 次はもう少し短いブランクで出せれば良いのですが・・・・ セイとタナトスの関係は正直、失敗しました。 そんなことでゲームのシナリオ大丈夫なのでしょうか?

それではまたの機会に

前へ / 次へ / 蒼い旅インデックスに戻る