DAYS

無題1

「ごめんね」
と彼女は言った。
「何で謝るんだ?」
「だって」
とそこで彼女は言いよどんだ。
「だって……」
「俺の、こちら側に来れないからか」
画面の向こう、少女がゆっくりと首を縦に振った。
彼はコンピュータの前に座って、
「それは、お互い様だ」
彼女の目であるWebカメラを真っ直ぐ見て、
「逆に俺は君のいる世界にはいけない。君が謝るなら、俺も謝らなければならん」
「脅しみたい」
「謝ったところで、俺たちの存在形式が変わるわけじゃないんだ。謝るだけ無駄だ」
「不器用。そんなこと言うから相手が見つからないんだよ」
「お前以外にいらん」
「え」
「何か聞こえたのなら空耳だ」

メモ

もし、ゲームに積まれている人工知能が人格を持った人工知能(鉄腕アトムのような)ものになったらどうなるだろう?
人と同じように人権が生まれたり、ゲームといったものに組み込まれるのが禁止されるだろうか。
それとも、人工知能側がゲームを住む世界として認識して、人間と同等に扱われることを窮屈に感じるだろうか。

人格を決定付けるパラメータのサイズは小さく、再現するには性能のいいコンピュータがあればできる、というネタも考えた。
行動に大きな影響を与える記憶のサイズはどうしても大きくなる、とか。