『イメージ』

「大切なのは自身をどうイメージするかよ」

「イメージ?」

「そう、イメージ。どう在りたいのか、と言えば良いかしら」

「……」

「私たちヒトは親からある程度の形とこう在って欲しいイメージを与えられてるの。でも、あなたはそうじゃない」

「……」

「あなたは最初から全部、自分ひとりでそれをやってきたのよ」

「何が言いたいのかよくわからないわ」

「最初に言ったでしょう。大切なのは自分をどうイメージするかって。身体も精神もね。ヒトと違って両方ともあなたは無限の可能性があるのよ、カシス

「願えば何にでも確かになれるわ。でも……」

「心の奥深くから願いなさい。それこそ、ヒト……それどころか天使にだって悪魔にだってなれるわ」

「わかったわ。……それにしても随分と詳しいのね」

「あら、すべてあなたの話してくれたことからわかったことよ。後は女の勘かしら」

「……ありがとう、命」

カシス、あなたが感謝の言葉を言うなんて……明日は雪かしら」

「先の言葉は取り消させてもらうわ」