『月明かりの下で』 をテンプレートにして作成
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[[DAYS]]
* 『月明かりの下で』 [#d5e1d58a]
闇に浮かぶ真円の月は、白く冷たい光を放ち他の光を寄せ付け...
その光の下、少年は身体を夜露と光に身体を染めながら、MTBの...
ハンドルにつけてある照明は点灯しておらず、少年は月明かり...
隣を走る少女の自転車も同じように無灯火だ。
少女の警察に見つかったら注意されちゃいますよ、という注意...
実際、この川沿いの道を通っている間、誰ともすれ違っていな...
すれ違っているとするなら、傍らに生えるすすきであったり、...
「月、綺麗ですね」
「これでそう思わない奴がいるなら、そいつの感性を疑うね」
細く黒い影を砂利に落としながら少年は言う。
「はい」
普段の彼女なら、それは言いすぎですよ、とか、酷いこと言わ...
少年はふと、併走する少女を見た。
月明かりが照らす少女は恐ろしいほど、神秘的で少年は思わず...
自分の呼吸に気付き、慌てて目を正面に向き直し呼吸を整える。
落ち着きが足りないな、と内心で苦笑しても、自分を叱っても...
「どうか、しましたか?」
心を見透かした問いに心臓が跳ねて少年はハンドルをぐらつか...
「あ、いや、何でも……っ」
制動しようとするが、大きくふらついたMTBを立て直すことは叶...
大きく傾き少年は衝撃に備えて身を構える。
砂利だからどう転んでも洒落にならないな、と思い目を瞑る。
夜風と違う風とやわらかい温かさを感じて少年は目を開き、あ...
左手に広がる斜面には二つのMTBが転がり草に埋もれている。
その近くの草は延々と倒れ、自分のいる場所まで続いていた。
右を見れば川面が月を映している。
しかし、何処にも少女の姿が無い。
視線を自分の下に向ける。
「本当に大丈夫ですか?」
少女の背中からは薄く黒い羽が伸びていて、月の光を縁に映し...
この羽が少年と少女を守ったのは想像に難くない。
状況を整理している間に少年は少女を押し倒す格好であること...
慌てて身体を起こすと、今度は川岸の石ですべり土手に倒れこ...
今日はまったく、どうかしている、と少年は心の中でため息を...
土手から身体を引き起こそうとするがそれすら叶えられなかっ...
今度は少女が覆いかぶさるように手を草地についたのだ。
少女の身体が少年に黒い影を落とし、黒い羽はその色に似合わ...
「これを綺麗じゃないって言ったら、感性疑われるね」
加速する鼓動を抑えて少年は言った。
「そうですか?」
「今度は疑問形かい」
苦笑を含んだ少年の言葉に、少女は答えることなく、隣の草に...
もう、半透明の羽は見えない。
でも、鼓動の加速は止まない。
顔にも少し出ているだろう、と少年は推測した。
現に熱った身体に冷たい風が心地よい。
「怪我無いか少し確認してみました。本当に大丈夫のようです...
覆いかぶさった理由を口にしながら少女は微笑む。
「君は大丈夫なのかい?」
「はい、大丈夫ですよ。こう見えても私」
「戦闘用アンドロイドですから、だろ」
「はい」
台詞を持っていかれても、特に気にすることなく少女は頷いた。
「仕方が無い。このまま、休憩にようか」
「そうですね。時間もたっぷりありますから」
** どうでもいい話 [#l2bc25e8]
話自体は2005年12月頃に出来ていて、微調整やら何やらを経て...
数年も経てば書き方も変わるもので、今の自分には良くも悪く...
しかし、この二人はずっとこんな感じだったのか……。
終了行:
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* 『月明かりの下で』 [#d5e1d58a]
闇に浮かぶ真円の月は、白く冷たい光を放ち他の光を寄せ付け...
その光の下、少年は身体を夜露と光に身体を染めながら、MTBの...
ハンドルにつけてある照明は点灯しておらず、少年は月明かり...
隣を走る少女の自転車も同じように無灯火だ。
少女の警察に見つかったら注意されちゃいますよ、という注意...
実際、この川沿いの道を通っている間、誰ともすれ違っていな...
すれ違っているとするなら、傍らに生えるすすきであったり、...
「月、綺麗ですね」
「これでそう思わない奴がいるなら、そいつの感性を疑うね」
細く黒い影を砂利に落としながら少年は言う。
「はい」
普段の彼女なら、それは言いすぎですよ、とか、酷いこと言わ...
少年はふと、併走する少女を見た。
月明かりが照らす少女は恐ろしいほど、神秘的で少年は思わず...
自分の呼吸に気付き、慌てて目を正面に向き直し呼吸を整える。
落ち着きが足りないな、と内心で苦笑しても、自分を叱っても...
「どうか、しましたか?」
心を見透かした問いに心臓が跳ねて少年はハンドルをぐらつか...
「あ、いや、何でも……っ」
制動しようとするが、大きくふらついたMTBを立て直すことは叶...
大きく傾き少年は衝撃に備えて身を構える。
砂利だからどう転んでも洒落にならないな、と思い目を瞑る。
夜風と違う風とやわらかい温かさを感じて少年は目を開き、あ...
左手に広がる斜面には二つのMTBが転がり草に埋もれている。
その近くの草は延々と倒れ、自分のいる場所まで続いていた。
右を見れば川面が月を映している。
しかし、何処にも少女の姿が無い。
視線を自分の下に向ける。
「本当に大丈夫ですか?」
少女の背中からは薄く黒い羽が伸びていて、月の光を縁に映し...
この羽が少年と少女を守ったのは想像に難くない。
状況を整理している間に少年は少女を押し倒す格好であること...
慌てて身体を起こすと、今度は川岸の石ですべり土手に倒れこ...
今日はまったく、どうかしている、と少年は心の中でため息を...
土手から身体を引き起こそうとするがそれすら叶えられなかっ...
今度は少女が覆いかぶさるように手を草地についたのだ。
少女の身体が少年に黒い影を落とし、黒い羽はその色に似合わ...
「これを綺麗じゃないって言ったら、感性疑われるね」
加速する鼓動を抑えて少年は言った。
「そうですか?」
「今度は疑問形かい」
苦笑を含んだ少年の言葉に、少女は答えることなく、隣の草に...
もう、半透明の羽は見えない。
でも、鼓動の加速は止まない。
顔にも少し出ているだろう、と少年は推測した。
現に熱った身体に冷たい風が心地よい。
「怪我無いか少し確認してみました。本当に大丈夫のようです...
覆いかぶさった理由を口にしながら少女は微笑む。
「君は大丈夫なのかい?」
「はい、大丈夫ですよ。こう見えても私」
「戦闘用アンドロイドですから、だろ」
「はい」
台詞を持っていかれても、特に気にすることなく少女は頷いた。
「仕方が無い。このまま、休憩にようか」
「そうですね。時間もたっぷりありますから」
** どうでもいい話 [#l2bc25e8]
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