『映画「FS」』 をテンプレートにして作成
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[[DAYS]]
* 『映画「FS」』 [#xc23275c]
映画のタイトルはFSと直球勝負だったが、肝心のFSが2部に入る...
1部は地下資源探査施設で人が消える事件で幕を開ける。
主人公は事件の現場に残っていた液体を分析し、それがかつて...
しかし、FSはすでに絶滅していると多くの人に認識されている...
それでも主人公は自分の言葉を信じる仲間と一緒に証拠集めに...
仲間との協力もあって証拠が集まり、主人公が然るべき機関に...
そこで1部は終わり、エンディングに入っていく。
2部はその事件から数ヶ月経った頃から始まる。
多くの人の記憶から事件の一連の記憶が消え始めていたが、再...
この時点で政府は主人公の友人から得た情報をもとにさらに調...
それは惑星そのものがFSだというとんでもない事実だった。
現在は休眠状態とも言える状態で、覚醒はしていない。
覚醒するまで時間は既に残りわずか。
極限の状態で惑星全域からの脱出が始まる。
大小様々な宇宙船群が巨大なリング状の施設に向かっている。
火事から逃れるために非常口に殺到する人のそれと同じだ。
その宇宙船群の後方、黒の機体が影のようなものと戦っていた。
あまりの速度にフレームから切れている。
一騎は一時停止をして敵の姿を確認しようとして、
「……」
止めた。
おそらく、形状はFSの近接格闘型に似たものだろう。
数mはある巨大なアメーバのような形をしている。
資料で読んだ形状を思い出しながら、さらにそれをアレンジし...
真空中を高速で移動する敵に対し、黒の機体は翻弄されていた。
いや、ふりだ、と一騎は画面を見ながら思う。
弱いと見せかけて相手の気を引いて、船の脱出の時間を稼いで...
しかし、それも長くは続かなかった。
敵は気がつくと、宇宙船群に向けて加速を開始する。
黒の機体群が小惑星をも蒸発させるレーザーで狙い打つ。
確実に敵の足は止まっているが、黒の機体群の数も減っていた。
だが、宇宙船群は確実にバイパスから地球に向けて脱出してい...
「ふぅむ」
そこで一騎は唸った。
UADSの戦い方が自己犠牲を前提にしている。
本物のUADSなら強力な火器をさらに投入するだろう。
それでは映画にならないとわかっているが、どうしてもそう考...
機体のデザインも丸みが強くなり、より女性的な印象が強い。
本物も女性的な印象があるが、どこか威嚇的な印象もあったが...
映像がバイパスを正面から捕えたものに変わる。
リングの内側には波紋のように空間歪曲面が揺れている。
船が突入するたびに波立つ。
最後の船が突入すると波が止まった。
カメラは数秒の間、そのままだ。
どんな意味があるのか、と思っている一騎の視線の先でバイパ...
構造体が金属の悲鳴をあげ、崩れた。
花火のように砕けた構造体が画面の外側に向けて広がっていく。
人が消えた画面から女の声が聞こえる。
「これで加減しなくて済む」
小型の敵が一掃されて静まりかえった画面の中央に見慣れてい...
「おいで、相手をしてあげる。そして、終わらせるよ」
呼びかけられたFSが応じる。
惑星という殻を破るという形で。
地殻にひびが入り、めくれ上がる。
砕けた地殻は巨大な岩の塊となって真空中にまき散らされてい...
出てくるのは黒の塊だ。
表面は規則正しく波打ち、生命であることを主張している。
巨大な敵に対して、画面の中でUADSは一つの行動を起こした。
黒の機体は岩石に近づくと、それを食った。
機首部分に切れ目が入り、機首が四方向に花開き、岩石を捕ま...
FS側も一つの反応を見せた。
波打つ表面にいくつもの赤いレンズが作り出した。
球体に無数の目が生まれていく。
レーザーのレンズだ、と一騎は画面を見て思う。
その通りの現象が起こった。
画面を赤の線が無数に走り抜ける。
UADS機体群はそれらをシールドで防ぐ、もしくは回避運動で避...
回避運動をしながらUADSは一点に集まり、一つの形をつくり始...
集まった機体群は上下左右に伸びるがある程度まで広がると別...
真上に1、左右に2、下方向は2。
「人、か」
呟く一騎の目の前で女性特有の曲線を持つ機械が生まれた。
FSはレーザーを打ち込むがUADSの巨人はシールドでそれを防い...
先の岩石捕食はエネルギーの補給だったのか。
降り注ぐレーザーの雨の中、巨大な少女が黒の塊に話しかける。
「わたしはね。あなたをもとにして作られたの」
この惑星に住む人間の多くは知っていることだ。
「だから、生まれた時から恨まれてもいた」
一部の人間はそうだろうな、と一騎は苦虫を噛み潰したような...
「でもね、これで終わりにできるの」
少女がゆっくりと黒の球体に近づく。
球体はくるなといわんばかりにレーザーの雨を強くする。
だが、少女はゆっくりと迫る。
狂気じみていると一騎は思わず体を引いた。
それと同じことを黒の球体もやった。
少女の手が球体に届いた。
優しく表面をなぞりながら、さらに近づいて、球体を抱きしめ...
接触面からレーザーがこぼれるが少女は傷つきもしない。
全身で球体を抱きしめながら、眠るように少女は目を閉じて、
「おめでとう」
画面が真っ白な光に包まれた。
爆発音も何もない。
そのまま、白い背景の上に黒い文字が降ってきた。
スタッフロールだ。
リモコンの停止ボタンを押そうとすると後ろから降ってきた。
「まだ、続きがある」
振り向けばエリスが立っていた。
「わかった」
一騎はリモコンをおいて、画面のほうを向いた。
その彼の横にエリスは静かに腰を下ろして、同じように画面を...
白い背景が雲が晴れるように引いて地球が映った。
軌道上には宇宙船が見えるが様子がおかしい。
船のほかに残骸も見える。
「FSが混じっていたのか」
一般の船に偽装したFSもバイパスを抜けて地球圏に到達してい...
画面は様子を淡々と描きながらゆっくりと暗転。
静かに本編やドキュメントなどが選択できるメニュー画面に戻...
「……皮肉、か」
「相互無理解がこの映画の根底にはあると推測する」
「主人公も証拠の形で突きつけようとしていたが、丁寧に話し...
「ほかにも相互無理解のシーンはある」
「UADSも人間に拒否されるのを受け入れていた。抵抗する様子...
一息おいて、
「さて、コーヒーでも淹れるか」
一騎が立ち上がるとエリスも一緒に立ち上がった。
二人はそろって台所に向かった。
終了行:
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* 『映画「FS」』 [#xc23275c]
映画のタイトルはFSと直球勝負だったが、肝心のFSが2部に入る...
1部は地下資源探査施設で人が消える事件で幕を開ける。
主人公は事件の現場に残っていた液体を分析し、それがかつて...
しかし、FSはすでに絶滅していると多くの人に認識されている...
それでも主人公は自分の言葉を信じる仲間と一緒に証拠集めに...
仲間との協力もあって証拠が集まり、主人公が然るべき機関に...
そこで1部は終わり、エンディングに入っていく。
2部はその事件から数ヶ月経った頃から始まる。
多くの人の記憶から事件の一連の記憶が消え始めていたが、再...
この時点で政府は主人公の友人から得た情報をもとにさらに調...
それは惑星そのものがFSだというとんでもない事実だった。
現在は休眠状態とも言える状態で、覚醒はしていない。
覚醒するまで時間は既に残りわずか。
極限の状態で惑星全域からの脱出が始まる。
大小様々な宇宙船群が巨大なリング状の施設に向かっている。
火事から逃れるために非常口に殺到する人のそれと同じだ。
その宇宙船群の後方、黒の機体が影のようなものと戦っていた。
あまりの速度にフレームから切れている。
一騎は一時停止をして敵の姿を確認しようとして、
「……」
止めた。
おそらく、形状はFSの近接格闘型に似たものだろう。
数mはある巨大なアメーバのような形をしている。
資料で読んだ形状を思い出しながら、さらにそれをアレンジし...
真空中を高速で移動する敵に対し、黒の機体は翻弄されていた。
いや、ふりだ、と一騎は画面を見ながら思う。
弱いと見せかけて相手の気を引いて、船の脱出の時間を稼いで...
しかし、それも長くは続かなかった。
敵は気がつくと、宇宙船群に向けて加速を開始する。
黒の機体群が小惑星をも蒸発させるレーザーで狙い打つ。
確実に敵の足は止まっているが、黒の機体群の数も減っていた。
だが、宇宙船群は確実にバイパスから地球に向けて脱出してい...
「ふぅむ」
そこで一騎は唸った。
UADSの戦い方が自己犠牲を前提にしている。
本物のUADSなら強力な火器をさらに投入するだろう。
それでは映画にならないとわかっているが、どうしてもそう考...
機体のデザインも丸みが強くなり、より女性的な印象が強い。
本物も女性的な印象があるが、どこか威嚇的な印象もあったが...
映像がバイパスを正面から捕えたものに変わる。
リングの内側には波紋のように空間歪曲面が揺れている。
船が突入するたびに波立つ。
最後の船が突入すると波が止まった。
カメラは数秒の間、そのままだ。
どんな意味があるのか、と思っている一騎の視線の先でバイパ...
構造体が金属の悲鳴をあげ、崩れた。
花火のように砕けた構造体が画面の外側に向けて広がっていく。
人が消えた画面から女の声が聞こえる。
「これで加減しなくて済む」
小型の敵が一掃されて静まりかえった画面の中央に見慣れてい...
「おいで、相手をしてあげる。そして、終わらせるよ」
呼びかけられたFSが応じる。
惑星という殻を破るという形で。
地殻にひびが入り、めくれ上がる。
砕けた地殻は巨大な岩の塊となって真空中にまき散らされてい...
出てくるのは黒の塊だ。
表面は規則正しく波打ち、生命であることを主張している。
巨大な敵に対して、画面の中でUADSは一つの行動を起こした。
黒の機体は岩石に近づくと、それを食った。
機首部分に切れ目が入り、機首が四方向に花開き、岩石を捕ま...
FS側も一つの反応を見せた。
波打つ表面にいくつもの赤いレンズが作り出した。
球体に無数の目が生まれていく。
レーザーのレンズだ、と一騎は画面を見て思う。
その通りの現象が起こった。
画面を赤の線が無数に走り抜ける。
UADS機体群はそれらをシールドで防ぐ、もしくは回避運動で避...
回避運動をしながらUADSは一点に集まり、一つの形をつくり始...
集まった機体群は上下左右に伸びるがある程度まで広がると別...
真上に1、左右に2、下方向は2。
「人、か」
呟く一騎の目の前で女性特有の曲線を持つ機械が生まれた。
FSはレーザーを打ち込むがUADSの巨人はシールドでそれを防い...
先の岩石捕食はエネルギーの補給だったのか。
降り注ぐレーザーの雨の中、巨大な少女が黒の塊に話しかける。
「わたしはね。あなたをもとにして作られたの」
この惑星に住む人間の多くは知っていることだ。
「だから、生まれた時から恨まれてもいた」
一部の人間はそうだろうな、と一騎は苦虫を噛み潰したような...
「でもね、これで終わりにできるの」
少女がゆっくりと黒の球体に近づく。
球体はくるなといわんばかりにレーザーの雨を強くする。
だが、少女はゆっくりと迫る。
狂気じみていると一騎は思わず体を引いた。
それと同じことを黒の球体もやった。
少女の手が球体に届いた。
優しく表面をなぞりながら、さらに近づいて、球体を抱きしめ...
接触面からレーザーがこぼれるが少女は傷つきもしない。
全身で球体を抱きしめながら、眠るように少女は目を閉じて、
「おめでとう」
画面が真っ白な光に包まれた。
爆発音も何もない。
そのまま、白い背景の上に黒い文字が降ってきた。
スタッフロールだ。
リモコンの停止ボタンを押そうとすると後ろから降ってきた。
「まだ、続きがある」
振り向けばエリスが立っていた。
「わかった」
一騎はリモコンをおいて、画面のほうを向いた。
その彼の横にエリスは静かに腰を下ろして、同じように画面を...
白い背景が雲が晴れるように引いて地球が映った。
軌道上には宇宙船が見えるが様子がおかしい。
船のほかに残骸も見える。
「FSが混じっていたのか」
一般の船に偽装したFSもバイパスを抜けて地球圏に到達してい...
画面は様子を淡々と描きながらゆっくりと暗転。
静かに本編やドキュメントなどが選択できるメニュー画面に戻...
「……皮肉、か」
「相互無理解がこの映画の根底にはあると推測する」
「主人公も証拠の形で突きつけようとしていたが、丁寧に話し...
「ほかにも相互無理解のシーンはある」
「UADSも人間に拒否されるのを受け入れていた。抵抗する様子...
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