「随分と安定したな」
正面の大型ディスプレイには赤と青の二つの小さな三角が映し出されている。
それぞれの色の軌跡を描きながら真っ直ぐと飛んでいた。
「X-1のデータの引き継ぎとあの子のおかげでしょう」
「……」
「確かにX-2の最大速度に追いついてるのは信じがたいですが」
「A1加速」
「それどころが追い抜けるわけか」
青の三角と赤の三角の間が開き始める。
「X-2、MBS作動。推進器の再構成確認」
「ライバルがいれば伸びる、か」
「ライバルよりは親と言った方がいいでしょう。それはあの子自身がよく知っているはずですよ」
彼の言葉に頷いてディスプレイを見れば、青と赤の三角は重なり合い一つの軌跡を描いている。