Feathery Instrument

Fine Lagusaz

ゼブリナの記憶

俺らは木陰で風に吹かれていた。 レーダーにはエネミーの反応は無く数時間ほど昼寝をしても問題ない。 ゼロたちが資金稼ぎのため辺りのエネミーを一掃したからこうなっている。

どういうわけだか俺の右にはエオ、左にはルーフが寄りかかり静かに寝息を立てていた。

なんでアンドロイドのエオが寝息を立てているかこの際、突っ込むのはやめよう。 静かに眠っているルーフの寝顔を見るたびに昔のことを思い出す。 あの時から寝顔だけはずっと変わっていないんだな。

俺が本星にまだいたころの話だ。

まともに安心して住めるような場所はほんの一握りで地獄絵図という言葉が相応しい状態だった。 両親は大陸全体を覆う内戦に巻き込まれ殺された。 いや、俺が殺したに近い。 逃げ遅れた俺を助けようとして死んでしまったからだ。 残されたのはこの体とあまり好きになれない名前だけだった。 ハンターのライセンスを取得しこの混沌とした世界を生き延びていた。

その世界に嫌気がさして来たころに惑星間の移民計画パイオニア計画が始まることになった。 ここから抜け出せる、希望を託して俺は乗船申し込みをした。 そんななか俺の隠れ家に一人の少女が現れた。 よりによってパイオニア2が発進する日に、だ。 見知らぬフォニュエールに俺は最初、警戒していた。 その証拠にその時、俺はヴァリスタの照準を少女の額に合わせていた。 「わたしをパイオニア2に乗せて」 今すぐに消えてしまいそうな小さな声で少女はそういった。 とりあえず敵では無いと判断しヴァリスタをしまった。 一応、依頼人になるかもしれない人物だ。 照準を合わせられても動じない少女は何処か不気味な感じがした。

理由もわからず依頼を引き受けるのは不安なので質問攻めにしてしまったが今思えば残酷なことをしていたのかもしれない。 少女の名前はルーフで“Lug”と書くらしい。 何処かの神話にでてくる名前で確か魔術師だった記憶がある。 事情を聞いているとよくある悲惨な話だ。 このご時世、遺伝子操作で能力を高めるなんてざらにある。

昨日、一緒にパーティを組んでいたあいつだってもしかするとそうだったかも知れない、それくらい多い話だ。

「パイオニア2への乗船には身分証明が必要だぞ、さすがに偽造するのは無理だろ?」

高度なセキュリティの施されたデータベースにハッキングなんざ馬鹿のやることだ。 しかも俺は正式にハンターとしてパイオニア2の乗船許可がおりている。

こんな危ないことをやって無効にするつもりは欠片も無くすぐに断ろうと思っていた。 「頼れるのはあなたしかいないんです」

別に断ろうと思えば断れる、首を横に振るかこの少女を摘み出せば良いだけだ。 それがなぜかできなかった。 「わかったよ、協力する」 一瞬だけ、ばかなことを言ったと自分を呪った。 コーラル最後の仕事は派手に行こうか。 そう考えることにして話を進める。 「で、さっきもいったが身分証明はどうするんだ?」 「大丈夫、もう・・・やりました」 もう作ってあるから大丈夫、ということらしい。 研究所を脱走する際に仲間がやってくれたそうだ。 「その仲間はどうしたんだよ。この際、一人も二人も変わらないぞ」

俺の言葉にルーフと言う少女はぽろぽろと涙をこぼしながら死んだ、と言った。

この混沌とした世界なら誰が死んでもおかしくはないし俺自身、明日生きているかなんてわかったもんじゃない。 「いや・・・すまなかった。お前だけでもしっかり上に届けてやるよ」

乗船するまでが大変でまずは衛星軌道上のステーションまで上がらなければならない。

さらにステーションで乗船前にチェックを受けてパイオニア2へ乗り込むわけだがそこまでに見つかってしまったら終わりだ。

そもそもパイオニア2にだってその研究所が乗り合わせていて安全とは言えないだろう。 そのことを話して見たがこの少女の決意は変わらなかった。 どうやらルーフを生み出した研究所はパイオニア2に乗れなかったらしい。

機械は上手くデータを改竄すれば黙るが人間はそう簡単に記憶を改竄されたりはしない。 ようはパイオニア2乗船まで研究所の追っ手から守ってくれ、ということだ。 「報酬はいくらなんだ?」 俺の問いにルーフはペンダントを差し出してきた。 光りに透かしてみると何かが見える・・・チップだ。 調べて良いか尋ねてみたところあっさりOKがでた。 「DNA・・・お前のか?」 ルーフは目を伏せながら静かに首を横に振った。 となると遺伝子提供者のオリジナルのものだろう。

「なるほど・・・親の大切な情報ということか。そんなもの受け取れるわけがない」 無言で立ち上がりでていこうとするルーフの腕をつかんだ。

「ちょっと待てよ、誰が放棄すると言ったんだ?ここは出血大サービスってことで報酬無しで良い」 ほんの一瞬だけ顔が緩んで微笑んだように見えた。 たぶん、気のせいだろう。 衛星軌道上のステーションまで小型シャトルで行く事になっている。 さすがにシャトル内で攻防戦になることはしないはずだ。 一番の問題は宇宙港への道程だ。 この荒廃したエリアから宇宙港まで約40分、この間をどう守ろうか。 ぼろいロケットバイク【愛車】でも普通に行ける事は行けるが・・・。 「囲まれてるのか」 レーダーの出力を最大にして範囲を広げていくといくつもの点が現れてた。 溜息をつくとルーフが心配そうな顔をして覗きこんできた。 「心配するな、約束は果たす」 ロケットバイクに乗り込むと一気に速度を限界まで上げた。 こちらの発進と同時にレーダーの点もいっせいに動き出す。 後方モニターには最新鋭のロケットバイクの姿が見える。 自動操縦に切り替えルーフにハンドルを握らせる。 ヴァリスタの照準を相手のロケットバイクに合わせトリガーを引く。

銃口から放たれたフォトンの弾丸はロケットバイクの軽装甲を貫き電子中枢を破壊した。 乗り手の悲鳴もろともロケットバイクは吹き飛んだ。 「次っ!」 いくら撃ち落としてもきりがない。 突然、ヴァリスタが使えなくなった。 「ちっ、冷却時間かっ」

目の前に武器選択画面を表示させジャスティスを選択すると両手に機関銃が現れた。 「挟まれる!?」

黒光りするロケットバイクがこのぼろロケットバイクの左右にぴったりとついている。 相手の銃口がこちらに真っ黒い口を開けていた。 照準を向ける前に横を稲妻が駆け抜けた。

稲妻の先にはロケットバイクに跨がっていたと思われる黒い炭の固まりがある。 「大丈夫ですか?」 ルーフのラゾンデだとわかるまでたっぷり一秒かかった。 「あ、ああ。ありがとう」 並のテクニックの威力ではない。 一体、研究所とやらは何を考えているんだ。 ただの戦闘機械じゃないか。 「遠いのはルーフに任せた。近寄って来た連中は俺が切り払う」 ブリューナクを握り締め構えた。 後、10分もしないうちにこの無法地帯を抜けられる。 抜けてしまえばこちらの勝ちだ。 「来るなら来い。この雑魚どもがぁっ!!」 近づいてくるロケットバイクごとドライバーを切り裂く。 グラインダーで極限まで研ぎ澄まされたフォトンの刃に手ごたえはない。 宇宙港たどり着いたの時、そのことすら気が付かない状態だった。 ルーフがレスタを唱えてくれたのでなんとか思考を取り戻せた。 追っ手はもう来ないと思いたい。 あれだけの威力のテクニックを使える実験体、誰が手放すのだろうか? 俺が研究所の人間なら手放そうとは思えない。 やっぱり追っ手は来るだろうな。 ステーションの中で走り回るしか無さそうだ。 手続きを済ませシャトルの席に腰を下ろした。 「追ってはもう、来ません」 横にちょこんと座っていたルーフは言った。 「まだそうとは限らないだろう?」 「ここから先は戦闘禁止エリアです。武器の所持は一切認められてません」 「それもそうなんだがなあ。常識やルールなんて脆いからねぇ」 俺だって特殊樹脂で構成された拳銃を潜ませている。 向こうだって持っている可能性は否定できない。 「装甲一枚向こうが真空の世界で銃撃戦やるばかがいるとは思いたくないな」 ルーフの返事が無い。 見ると静かに眠っていた。 あれだけテクニックを使えばいくらニューマン言えども疲れるだろう。 先程まで見せていた無機的な表情が嘘のように思える子供の寝顔だ。

コンテナの角が火花を散らし俺とルーフは陰で小さくなっていた。 「最終防衛ラインと言ったところかねぇ・・・やばっ」 ルーフを抱えて隣のコンテナに隠れると同時に先程まで居た場所が爆発した。 「高レベルのラフォイエか。テクニック使いが相手だときついな」 俺らの先には一人のフォニュームが不敵な笑みを浮かべている。 こいつが研究所の切り札のようだ。

シャトルから降りて歩いていると後ろから追いかけられ追い詰められたのがこの倉庫でかれこれ10分ほど続いていた。 テクニックの威力はルーフより下だが精度は向こうの方が高そうだ。 持久戦に持ち込まれるとこっちはやばいな。 ピエロ風のスーツとこの笑みの組み合わせは最悪に気味が悪い。

接近しようにもラバータ喰らったら終わりだし各種耐性を上げる装備は持ち合わせていない。 後厄介なのはたまに頭上をかすめる禍々しい黒い球体メギドだ。

攻撃力、防御力はルーフのシフタとデバントのお陰でだいぶ上がっているが・・・。 「ルーフ、あいつの動きを止められるか?」 「どうするつもりなのですか?」 「一撃で仕留める。あのテクニックと銃乱射してくるバカにはそれが一番だ」 ルーフは無言で頷き杖を構えた。 「行くぞ」 一気に駆け出し間合いをつめる。

ルーフから氷の結晶が放たれフォニュームに直撃したが不気味で不敵な笑みを続けている。 フォニュームの拳銃が俺を捉えながらフォイエを連射する。 ニヤリと笑うとトリガーを狂ったように引いてきた。 シールドとフォトン弾が激しくぶつかり合う。 後2m・・・炎の壁が目の前に現れ行く手を阻む。

下手に突っ込めばスーツごと焼かれてしまうが手にしているのはリーチの長いブリューナクだ。 「長刀ってことを忘れるなよっ!!」

ブリューナクでわき腹を斬りつけると赤い血が噴水のように吹き出しあたりに広がって行く。 「ぐぼぉっ」 口から赤い血を吐き出しながら人とは思えない言葉を発しつづける。 さすがにあの笑みは消えていた。 「さすがにもう追ってはこれないだろう・・・。ルーフ、どうするつもりだ?」 俺の問いにルーフは答えずレスタを使った。 傷口が消えフォニュームは安らかな寝息をたて始めた。 「彼も犠牲者なんです・・・」 「そうなのか」 「はい・・・」 アナウンスがパイオニア2の発進までの時間を告げる。 ここから走ってギリギリと言ったところか。 「走るぞ」 ルーフの返事も聞かずその細い手首を掴み走る。 人をかき分け心臓の悲鳴を無視してなんとか乗り込むことができた。 シティの入り口に着くとそのまま俺はダウンしてしまった。 ルーフはというと何事も無かったかのような顔をしている。 「ありがとう・・・ございました」 「俺がいなくても大丈夫だったと思うぞ」 そう答えるのが限界だった。 もっとしゃべろといわれても風の切るような声しか出せない。 ここで体力の限界かよ。 「また何処かで会えるといいですね」 そう言い残すとルーフの小さな背中は喧噪の中に消えて行った。 恐らくもう会うことは無いだろうな、とその時は思った。

パイオニア2発進から一年が経った頃、俺は普通のヒューマーとしての生活を送っていた。

紛失物の捜索といった平和な仕事を引き受け生活費を稼ぎながら過ごしていたある日のことだ。 珍しく戦闘まがいの事態に巻き込まれてしまった。

メディカルセンターで治療してもらってからショッピングエリアでアイテムの補充をした。 その後はすることもなくなんとく広場をぷらついていた。 帰ろうとしたところで誰かに背中を叩かれた。 「ゼブリナー、久しぶりぃ」 誰だ、お前と言おうとしたところで一年前のフォニュエールを思い出した。 「あ、あの時のフォニュエールか!?」 「そこまで驚くことは無いでしょう」 自然なその笑顔は一年前の彼女からは想像できない。 「元気してた?」

「ああ、怪我もしなければ死にもせず平和だった。ルーフも元気そうで何よりだ」 「名前、覚えてくれてたんだ」 「変なところだけ記憶力は良いからな」 「立ち話もなんだからどこか入ろうよ、ゼブリナ」 「だな」 食糧管理が徹底的にされているためあまり凝った食事はできない。 一日に食える量は年齢や性別、体型様々なことから計算され決められている。

それでも暴動にならず長旅できているのは二年経てばラグオルで生活できるという希望があるからだろう。 「ま、立ち話よりはマシか」 「ぜいたくはラグオルに着いてから言おうよ」 からんとグラスの氷が揺れた。 アルコールではなくただのジュースだ。 「何があったんだ。この一年」 「いろいろあったよ。似たような過去の人とあったことが一番大きいかな」 「生き方を学んだ、ということか」 「そうなるのかなぁ。過去は変えられないけど今は変えられるって」 「俺は全然、変わってない」 「そうかな?」 「そうかなってそうだろ」 「でもなんか変わった気がする。焦りが無くなったみたいな」 「焦り、か・・・」 窓越しに青空が見える。 雲はゆっくりと流れるが地面に影は映らない、そう人工の青空だ。 目線をもう少し手前にすると自分の顔が映っていた。 微かに笑っているように見えるのはどうしてだ? 「あの時は焦ってたように見えたか?」 「なんとなく」 「ギルドの依頼引き受けたりして色んな人間見たからかもしれない」 「人って変われるんだね」 「ああ、そう信じたい」 ルーフと話をしていると本音がでてくる。 コーラルの環境破壊は恐ろしい速度で進んでいる。 ラグオルも同じ結末を迎えるのでは無いか、そんな不安が何処かにあった。 移民しても自分らは何も変わっていないんだ。 気が付くと話も変わり今の話になっていた。

ルーフの口から何度かゼロという名前がでてきたがそいつがルーフに影響を与えた人間なのだろう。 「よう、ルーフ」 振り返ると赤いヒューマーが立っていた。 その後ろには空色のヒューマーと白いフォマールが見える。 「隣の人は?」 「友達のゼブリナっていうんだ」 「ゼロだ。よろしく」 「ああ、よろしく頼む」 後ろの二人も名乗った。 ゼロの妹のレナ、弟のスカイリーで三人ともハンターズをやっているらしい。 「なんか慣れているらしいね」 「一応、ハンターズ歴は長いからな」 「なぁ、ラグオルに降りてからで良いんだけど組まないか?」 「そうだな。よろしく頼むよ」 それがスプリングストーム誕生の瞬間だった。 メンバーは俺とルーフ、ゼロの三人だ。 そしてスカイリーの紹介でヒューキャストのジムが加わり四人となった。 四人で依頼を引き受けたりして時間が過ぎて行った。

A.U.W.3084 惑星ラグオル衛星軌道上

展望室一杯に人が溢れていた。 俺らもその中に交じって緑と青のきれいな惑星ラグオルを見下ろしていた。 誰もこれから起こる惨劇を予想していなかった。 パイオニア2の艦首周辺に魔法陣が展開される。 この通信が終わればパイオニア2は大気圏突入するはずだ。 それから先は忙しくなるがそれ以上に新天地への希望は大きかった。

地上のセントラルドームと艦首からビームが伸びて行き交差した瞬間、地表に閃光が走り雲が吹き飛んだ。 動揺が人々の間に広がる。 ある者は泣き崩れある者は怒鳴り散らした。 「用事ができた。また後で」

ゼロが歩きだしたのを三人で追いかけたが外に出た時にはその姿は見えなかった。 しばらくして総督府からハンターズたちに地表調査の依頼がきた。 俺らもラグロルへ降りることになった。

パイオニア2のハンターズたちが最初に降り立つのが森エリアと呼ばれる場所だ。 名前の通り緑の豊かなエリアで様々な原生生物が生息していた。 それらは大きい体を持っているがおとなしい性質だった。 が、実際は違った。 その証拠にブリューナクの柄にはエネミーの返り血がついている。 「あまり武器なんか使わないと思ったんだけどな」 「これで移民は無理だよね」 「しばらくはこれを振り続けるしかないのか」

ジムが鋼鉄製の大剣ラストサバイバーを光にかざすと反射した鈍い光が眩しい。 「強力な武器が必要になるかも知れない」 ガエボルグを肩に担ぎ腰を下ろしているゼロが言った。 異常フォトンの濃度が上がるにつれエネミーの能力が上がっている。 調査に降りたハンターズにはすでに病院送りの者もいるらしい。 「そろそろ行くか」 「ほいさ」 「うん」 「ああ」 腰を上げ次のエリアへ向かった。 戦闘と休憩を繰り返しながら誰も行っていない場所を目指す。

ある程度能力に自身がある者はそうするし不安な者は調べ尽くされた場所を彷徨う。

そうしてここの地下にもパイオニア1の人間が手を加えたエリアの存在が解っていった。 その逆にわからない点も増えていった。 あの爆発の原因はなんなのか。

恐らくパイオニア1唯一の生き残りであろう赤い輪のリコが残したメッセージカプセルを頼りにしてみるがあまりよくわからない。 物理的な爆発ならばドーム周辺は灰燼と化しているだろう。 精神的なものなのか。 それなら説明はできる。 では発生源はなんなのか? すべては闇の中だ・・・。

そして二カ月が過ぎた。 大気圏突入を見送りパイオニア2は衛星軌道上に浮かんでいた。

予定どおりならラグオルの大地をすべてのクルーが踏み締めることができただろう。 予定外で非日常だった日々が日常になった。 人間、慣れてしまえばどうということはない。

リコのメッセージカプセルの発見は生存者がいるという希望を与えると同時に不安をかき立てていた。

地上に降りることができるのは一部のハンターズのみだがメッセージは様々な憶測を含みながら広がっていた。 いつものように依頼を引き受けラグオルに降りる。 最初の戸惑いは完全に消えていた。

ゼロたちと軽く話した後、ラッピーを生け捕りにすべく森の奥深くへと進んでいってエオと出会った、いや正確には助けられたのか。 「ん・・・かなり寝てました?」 「ああ、二時間くらいかな」 「重くなかったですか?」 「いいや」 「・・・っと。おはよ、ゼブリナ」 「おはようさん。そろそろ俺らも動きますか」 真っ青な空が一面に広がっている。 頬にあたる風が心地良い。 一人のフォーマーが駆け寄って来た。 「フェイド、こんにちは」 「今日は三人だけかい。僕も入れてくれよ」 「うん、いいよ」 「よっしゃ、気を引き締めて行こうぜ」 「おぅ」 四人は揃って空高く拳を突き上げた。

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