Feathery Instrument

Fine Lagusaz

はじまり

慣れない電車に揺られながら見慣れない風景を見る。

春休みに一度だけ来たことがあるか。確かちょっとした説明を受けに行ったはずだ。 これからはこれが普通になるんだ。 なんだかんだ言いつつも学校の先生ということになってしまった。 そして新米の化学担当としてとある高校にいくことになったわけだ。

『さて、行くか』

吊革を離しほかの乗客と共に外へ吐き出される。 バスターミナルでバスに乗り換える。 高校に行くというのは何年ぶりのことなのだろう。 立場は違えども・・・。 そんなことを考えているうちに高校に到着した。 あまりにもきれいな校舎に驚きながらも門をくぐった。 風に舞い散る桜が春ということと始まりであることを感じさせてくれる。

「おはようございます。白澤(しらさわ)先生ですか?こちらへどうぞ」 「あ、おはようございます」

竹ぼうきで掃除をしていた校長に誘導されて職員室へ。 ほかにも新しく入る人もいるらしい。

なんでも化学の担当になった人が二人とも同時に抜けたりしたということでもう一人化学担当がいるとのこと。 どんな人だろうか。

ちょっとした自己紹介を教師同士でしたあとに今日の打ち合わせとなる。 僕ら新任教師の着任式と始業式がありそれらの終了後、生徒は帰宅。 この流れの確認が終わったところで体育館に移動する。 設備がしっかりと整った体育館は大きさも全校生徒が入るには十二分だ。

着任式と言っても大したことはなく軽く挨拶と自己紹介をして終わりそのまま始業式になる。

生徒が行儀良いのか司会がもたつかないせいかは分からないがあっという間に式は進んでいく。

「校長の話」というものはとてつもなく長く、生徒を退屈させるものだが異常なほど短かった。 校長の話が終わりクラスごとに退場していく。

手際よく退場した後は軽く会場の後かたづけ、とはいっても5分もかからなかったが。

HRがすむと部活組は各活動場所に、遊び組はさっさと撤収する。 職員室でやることも終わった。

最初の日くらいは夜ぐらいまで残ってみようかと思っていたがやることが無いとすれば帰るか。 それとも

1.理科室周辺の探索にでる 2.校舎の地図を頭にたたき込む 3.職員室の教師に話しかける

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