傭兵の冷凍食品保存庫
PSO2/alpha/チーム勧誘、ペオズの場合
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開始行:
[[PSO2]]
*チーム勧誘、ペオズの場合 [#p0c957a0]
木々の間を大粒の雨が通り抜けて降り注ぐ。~
水嵩が増した小川を飛び越え、ペオズは先を急いでいた。~
今回のクエストはダガンの殲滅だ。~
手にしたロッドにはフォイエなどの火属性テクニックがセット...
遭遇したそばから焼き払っているが必要数にはなかなか到達し...
アークスに支給されている装備は過酷な環境での戦闘から身を...
「これは、疲れる」~
思っていたよりも疲労の色が強く、それは声に滲み出ていた。~
一度、帰還すべきだ、とペオズが判断した瞬間に通信が入った。~
しかし、それを確認する余裕はなかった。~
オペレーターが内容を伝えるよりも早く敵が現れたのだ。~
「ロックベアか」~
現れた巨大な熊というよりは猿に近いそれを視界に捉えてペオ...
図体は大きく一撃が重たいが動きは遅い。~
冷静に動きを捉えれば対処はできる。~
「感じるんだ、フォトンの風を……ってあれ、違う?」~
声とともに人影がロックベアに正面から突撃していた。~
噴煙を見てペオズはロデオドライブを使ったのだ、と判断する。~
何処の誰だか知らないが援軍が来たようだ。~
人影が通り抜けたのを確認しながらチャージしたフォイエを叩...
「ウィークバレット使うよ」~
「了解」~
放たれたフォトンの弾丸はロックベアの頭に命中した。~
どんな生物でも脳のある部位は丈夫に作られているが、そこに...
敵は激昂したのか共闘中のアークスに身体を向け拳を放つ。~
それをひらりとかわして素早く、弾丸を撃ち込む。~
ペオズはチャージしたフォイエを連続で叩き込みながら、つい...
ダメージを受けたならレスタを、と思っていたがその必要はな...
ロックベアを守るように飛来してきた鳥も飛び込んできた猿も...
どうやら、加勢しても無駄だと思ったらしい。~
弾丸と火球の波状攻撃がロックベアに撃ち込まれる。~
それになすすべもなくロックベアは地面にその巨体を伏した。~
「終わった、か」~
自然と役割分担が決まり、戦闘に流れが生まれていた。~
ひとりで戦っていたペオズには新鮮な体験だった。~
「クエストの途中でしょ?」~
と共闘していたアークスが声をかけてきた。~
改めて姿を確認する。~
キャストのレンジャー、女性。~
「ええ、ダガンの殲滅を」~
「よかったら手伝うよ」~
この人なら恐らくは大丈夫だろう、とペオズはお願いした。~
ロックベアを倒したことで何か流れが変わったのか、ダガンが...
「ありがとうございました」~
「どういたしまして。ええと」~
「ペオズです。助かりました」~
「いい名前だね。わたしはエオ」~
覚えておこう、とペオズが思っているとエオは~
「うちのチームに来ない?」~
と唐突に言ってきた。~
いや、これは、チームメンバーを選ぶために共闘したのか、と...
「いい戦いぶりだったからつい」~
まるで心を見透かされたようだ、とペオズは肩の力を抜いた。~
「大変申し訳ないですが、先を急いでいるので。失礼します」~
一礼してペオズはテレポーターに向かって歩き出す。~
数メートル歩いて少し後ろを見るとエオは、踊っていた。~
何を考えているのだ、彼女は、と疑問を抱きつつペオズは足を...
20メートルほど離れても視線を感じる。~
振り返ればエオはまだ踊っていた。~
「何を考えているんですか」~
「チームにどうやったら引き込めるか考えてた。楽しいよ、チ...
「楽しいだけで成り立つものではないでしょう」~
人をまとめるには責任感や判断能力、様々なものが求められる。~
それなのに楽しいから、というのは心もとない。~
「楽しいから一緒にいられるんだよ」~
エオはいつの間にか踊るのをやめていた。~
「いろんな人が集まってなんかいろいろやっている。そういう...
「もっと、いい謳い文句があるだろう――本当に勧誘なのか?」~
苦笑の色が混じった声で、~
「あまり、こうやって人を誘うことがないからよくわからない...
ただ、と一呼吸おいて、柔らかい声で、~
「あなたのような人がいるともっと、楽しくなる。そう思って...
と遠くにいるキャストは告げた。~
ペオズは歩みよりながら、~
「このクエストだけで誘うのは無理がある。判断材料が少なす...
思っていたことを包み隠さず告げる。~
絶妙なバランスから成り立っているコミュニティに新しい人間...
双方にダメージが及ぶ可能性も十分に考えられるのだ。~
金とグラインダーをつぎ込めばどうにかなるようなものではな...
「そうかな。あなたはまわりを見て立ち回りが変えられる。そ...
「なぜ、そう言える?」~
「遠くにいれば近くまで来る。変だと思った相手にも対話する...
何を言っても断れそうにない、とペオズはため息を付いた。~
「僕はそこまで大層な人間ではない」~
「謙虚だね」~
とエオは笑った。~
その言葉をどう受け止めるかしばしペオズは悩み、素直に受け...
「ありがとう」~
「それにね。君のような人が必要なんだ」~
憂いを含んだ声でエオは言う。~
「どういうことだ?」~
「チームに来てくれたら、わかると思う」~
それはそうだろうが抜け出せなくなる底なし沼だ。~
「質の悪い勧誘だ」~
「そう、だよね。わたしもそう思う」~
「なら、最初からそう言えばいい。なぜ、回りくどい言い回し...
そう、最初から困っていることがあるから手を貸して欲しい、...
「あなたがこの話に付き合ってくれるか、わからなかったから」~
「わかった。チームに入ろう」~
ペオズの言葉にエオの表情が再び明るくなった。~
釘を差すように彼は言ってやる。~
「ソロにも飽きていた。ちょうどいい」~
ふふ、とエオは笑って動じることなく彼に告げた。~
「ようこそ、ゴースト隊へ」~
終了行:
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*チーム勧誘、ペオズの場合 [#p0c957a0]
木々の間を大粒の雨が通り抜けて降り注ぐ。~
水嵩が増した小川を飛び越え、ペオズは先を急いでいた。~
今回のクエストはダガンの殲滅だ。~
手にしたロッドにはフォイエなどの火属性テクニックがセット...
遭遇したそばから焼き払っているが必要数にはなかなか到達し...
アークスに支給されている装備は過酷な環境での戦闘から身を...
「これは、疲れる」~
思っていたよりも疲労の色が強く、それは声に滲み出ていた。~
一度、帰還すべきだ、とペオズが判断した瞬間に通信が入った。~
しかし、それを確認する余裕はなかった。~
オペレーターが内容を伝えるよりも早く敵が現れたのだ。~
「ロックベアか」~
現れた巨大な熊というよりは猿に近いそれを視界に捉えてペオ...
図体は大きく一撃が重たいが動きは遅い。~
冷静に動きを捉えれば対処はできる。~
「感じるんだ、フォトンの風を……ってあれ、違う?」~
声とともに人影がロックベアに正面から突撃していた。~
噴煙を見てペオズはロデオドライブを使ったのだ、と判断する。~
何処の誰だか知らないが援軍が来たようだ。~
人影が通り抜けたのを確認しながらチャージしたフォイエを叩...
「ウィークバレット使うよ」~
「了解」~
放たれたフォトンの弾丸はロックベアの頭に命中した。~
どんな生物でも脳のある部位は丈夫に作られているが、そこに...
敵は激昂したのか共闘中のアークスに身体を向け拳を放つ。~
それをひらりとかわして素早く、弾丸を撃ち込む。~
ペオズはチャージしたフォイエを連続で叩き込みながら、つい...
ダメージを受けたならレスタを、と思っていたがその必要はな...
ロックベアを守るように飛来してきた鳥も飛び込んできた猿も...
どうやら、加勢しても無駄だと思ったらしい。~
弾丸と火球の波状攻撃がロックベアに撃ち込まれる。~
それになすすべもなくロックベアは地面にその巨体を伏した。~
「終わった、か」~
自然と役割分担が決まり、戦闘に流れが生まれていた。~
ひとりで戦っていたペオズには新鮮な体験だった。~
「クエストの途中でしょ?」~
と共闘していたアークスが声をかけてきた。~
改めて姿を確認する。~
キャストのレンジャー、女性。~
「ええ、ダガンの殲滅を」~
「よかったら手伝うよ」~
この人なら恐らくは大丈夫だろう、とペオズはお願いした。~
ロックベアを倒したことで何か流れが変わったのか、ダガンが...
「ありがとうございました」~
「どういたしまして。ええと」~
「ペオズです。助かりました」~
「いい名前だね。わたしはエオ」~
覚えておこう、とペオズが思っているとエオは~
「うちのチームに来ない?」~
と唐突に言ってきた。~
いや、これは、チームメンバーを選ぶために共闘したのか、と...
「いい戦いぶりだったからつい」~
まるで心を見透かされたようだ、とペオズは肩の力を抜いた。~
「大変申し訳ないですが、先を急いでいるので。失礼します」~
一礼してペオズはテレポーターに向かって歩き出す。~
数メートル歩いて少し後ろを見るとエオは、踊っていた。~
何を考えているのだ、彼女は、と疑問を抱きつつペオズは足を...
20メートルほど離れても視線を感じる。~
振り返ればエオはまだ踊っていた。~
「何を考えているんですか」~
「チームにどうやったら引き込めるか考えてた。楽しいよ、チ...
「楽しいだけで成り立つものではないでしょう」~
人をまとめるには責任感や判断能力、様々なものが求められる。~
それなのに楽しいから、というのは心もとない。~
「楽しいから一緒にいられるんだよ」~
エオはいつの間にか踊るのをやめていた。~
「いろんな人が集まってなんかいろいろやっている。そういう...
「もっと、いい謳い文句があるだろう――本当に勧誘なのか?」~
苦笑の色が混じった声で、~
「あまり、こうやって人を誘うことがないからよくわからない...
ただ、と一呼吸おいて、柔らかい声で、~
「あなたのような人がいるともっと、楽しくなる。そう思って...
と遠くにいるキャストは告げた。~
ペオズは歩みよりながら、~
「このクエストだけで誘うのは無理がある。判断材料が少なす...
思っていたことを包み隠さず告げる。~
絶妙なバランスから成り立っているコミュニティに新しい人間...
双方にダメージが及ぶ可能性も十分に考えられるのだ。~
金とグラインダーをつぎ込めばどうにかなるようなものではな...
「そうかな。あなたはまわりを見て立ち回りが変えられる。そ...
「なぜ、そう言える?」~
「遠くにいれば近くまで来る。変だと思った相手にも対話する...
何を言っても断れそうにない、とペオズはため息を付いた。~
「僕はそこまで大層な人間ではない」~
「謙虚だね」~
とエオは笑った。~
その言葉をどう受け止めるかしばしペオズは悩み、素直に受け...
「ありがとう」~
「それにね。君のような人が必要なんだ」~
憂いを含んだ声でエオは言う。~
「どういうことだ?」~
「チームに来てくれたら、わかると思う」~
それはそうだろうが抜け出せなくなる底なし沼だ。~
「質の悪い勧誘だ」~
「そう、だよね。わたしもそう思う」~
「なら、最初からそう言えばいい。なぜ、回りくどい言い回し...
そう、最初から困っていることがあるから手を貸して欲しい、...
「あなたがこの話に付き合ってくれるか、わからなかったから」~
「わかった。チームに入ろう」~
ペオズの言葉にエオの表情が再び明るくなった。~
釘を差すように彼は言ってやる。~
「ソロにも飽きていた。ちょうどいい」~
ふふ、とエオは笑って動じることなく彼に告げた。~
「ようこそ、ゴースト隊へ」~
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