『叛乱』

待機室にて(鎮圧部隊のアンドロイドたち)

「IFFの再設定を忘れるなよ。同士討ちは笑えないからな」

「現状、同士討ちに近いとは思うがね」

「相手はそう思っちゃくれていないだろうねぇ」

「だろうな」

「ま、暴動鎮圧用の装備だから設定し損ねても大丈夫じゃないか」

「いや、先発の俺らはそうだが、後発の連中は実弾だ」

「それはまずい。設定設定」

「初の対人戦がまさか、此処でやることになるとは」

「誰も予想していなかった、わけでもないか」

「暴動鎮圧用の装備がある時点で、誰かが予想していたのは間違いないだろうよ」

「人間と言うのは厄介な生き物だ……」

「そんな生き物から作られた俺らはさらに厄介だろうよ」

「そう自虐的に考えるなよ。大体、本当に厄介と思われているなら、こんな武装は持たされないぞ」

「信頼されているってことだ。……さて、無駄話はこの辺にして行くぞ」

通路にて(作戦部の若手)

「さてさて、我らが作戦部はぶち切れて叛乱を起こしたわけだがどうしたものか」

「ぶっちゃけ、年寄り連中が切れてるだけだからなぁ。若手の俺らには関係ないし」

「ぶっちゃけなくてもそうだろ。大体、人間対アンドロイドで勝ち目があるわけがねぇっつーの」

アンドロイドの統括管理室を制圧すれば、アンドロイドを無効化できるわよね」

「無効化する前に潰されるのがオチだろ」

「…う」

「何より相手は対FS戦で戦闘経験豊富と来た。24時間保ったら奇跡だ」

「レーダに反応、後20秒ぐらいで重武装の戦闘用アンドロイド軍団が拝めるぞ」

「応援の言葉でも送ろうかしら?」

「構成は主に狙撃を担当したアンドロイドだな。接近戦の連中じゃ手加減できずに真っ二つか」

「お、見えてきたな。……どう見ても対FS用の重武装です。本当にありがとうございました」

「弾しか変えてないとなると、本気のようだねぇ」

「年寄りにはいい薬ね」

「これまた、手厳しい意見だことで」

「来たぞ」

通路にて(ハガラズカシスアルギズと接触)

「叛乱はおとりで本命はこちらとはやるな」

「冷静に評価している場合なの?」

「それぐらい出来る余裕が無きゃ駄目だろ」

「面倒な話ね」

「いっそ、叩ききってやろうか」

「後が余計、面倒になるわよ」

「事故死扱いでいいだろ。どうせ、向こうも同じことを考えているだろうしな」

「此処は私が止めます。ハガラズさんはカシスさんを連れて本隊へ合流してください」

「了解。グッドラック」

「そちらも」