『ある男の会話』

"それにしてもどうして彼女なんだ?"

"第二世代の試験型の人格のことか"

"いくら、シミュレーションで好成績を出しているとはいえ、酷だろう"

"FS掃討を乗り切れる強さは持ち合わせているはずだよ"

"深瀬……前から言おうと思ってたんだが、どうしてあの子をそんなに信じられるんだ?"

"特に強い根拠は無い。ただ、彼女ならあのシステムをちゃんと使ってくれる気がする、それだけだ"

"お前、そんな理由で彼女を選んだのかよ"

"ちゃんと、シミュレーションでの結果やその他のことも考慮してる"

"……私情を挟むのはほどほどにしておけよ"

"その辺は大丈夫さ。割り切ってる"

"彼女が割り切れるかどうかは別だろう"

"それも、そうだね"

"まぁ、いい。明日の起動を楽しみにしてる"

"ああ"

"男の長電話はダサいことこの上ない。この辺で切るぞ"

"はは、確かに。それじゃ"